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欲深
「欲深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欲深の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
が乱暴で、刃傷《にんじょう》といった乱手《らんて》をやるために、たちまち俺の方が
欲深のように世間でとられてしまった。あいつはわしを斬り損じたが、精神的にわしは十....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あの米屋へいってみたら、鬼女めもあたしたちに見つけられたことがわかったとみえて、
欲深の女でござります。かどわかして売った金を取り返しにでも来るだろうと思い違えま....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
任状一通何れも根も葉もなきことにて、被告は悪き事とは知りながら、兎角囚人なる者は
欲深きものでありますれば、被告は先方に花を持たせ自己の目的を達せんとしたのであり....
「旅愁」より 著者:横光利一
苦しさだと苦笑し、あきらめ、また味いつつ、さらにこの思い切り難い心の切なさから、
欲深く思想の本体さえ掴みしめたいとも思うのだった。
ある日、ドームで千鶴子と矢....
「新しい潮」より 著者:宮本百合子
、わたしたちの生活のなんのたそくになったろう。わたしたちの一票は、おとぎばなしの
欲深爺の背負ったつづらのふたをあける役にだけたったようでさえある。まさかとおもい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
氏は思った。 「たくさんな雁の列から離れた一羽までもしいてお捜しになったのが少し
欲深かったのですね。私の所などこそ、子供が少ないのだから、そんな女の子なども見つ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ない限り、けっして土地は手離さない決心だという。「なぜなら、わたしはフランシスの
欲深な悪友どもや悪魔の手先たちに、お金を使われたくないからです。そのお金であの人....
「善いことをした喜び」より 著者:小川未明
着いたときに、そのお金や宝石がほしいばかりに、幽霊を自分の家につれてきて泊めた、
欲深者の話でありました。 「おばあさん、おもしろいお話を聞かしてあげましょうか。....
「明るき世界へ」より 著者:小川未明
」でも、極度に達したときは変わりがなかったからです。とにかく、みんなは、たがいに
欲深であったり、嫉妬しあったり、争い合ったりする生活に愛想をつかしました。そして....
「春風遍し」より 著者:小川未明
ります。曾ては金持や、資本家というものを仮借なく敵視した時代もあったが、これ等の
欲深者も死ぬ時には枕許に山程の財宝を積みながら、身には僅かに一枚の経帷衣をつけて....
「あらしの前の木と鳥の会話」より 著者:小川未明
、年寄りの区別なく死んで墓へゆくのに、自分だけは、いつまでも生きていると思って、
欲深くしているのだ。」といいました。 子供は、これを聞いて、なるほどと思いまし....
「ある男と無花果」より 著者:小川未明
、友だちの家へあずけた木を取りにゆきませんでした。 しかし、この男は、なかなか
欲深でありました。五、六|年もたって、ふと、いつか自分は無花果の木を友だちのもと....