» 欷歔

「欷歔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欷歔の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小公女」より 著者:菊池寛
給金ももらえずに、逐い出されてしまうのだろう。 ベッキイは息もつまるばかりに、欷歔をはじめました。 「お嬢様、お嬢様! か、かんにんして下さいまし、どうか、か....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
うん、弱いとも。俺は弱者だ!」またガックリ項垂れた。肩を細く刻むのである。 と欷歔の声がした。陶器師が泣いているのだ。……月子は静かに手を延ばしたが鑿と槌とを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》び入《い》るようになって消えたかと思うと、また物悲しそうに泣く音《ね》を立てて欷歔《しゃく》り上げる泣き声が、いじらしくてたまらなく聞えます。 お銀様は、ど....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
まいましたの。ただ二人の間に子供を持つ事が出来ないばかりでございますわ。(画家|欷歔す。)あなたがそうしておしまいなさったのでございますから、為様がございません....
堺事件」より 著者:森鴎外
けて別を惜むものがある。堺の町に入れば、道の両側に人山を築いて、その中から往々|欷歔の声が聞える。群集を離れて駕籠に駆け寄って、警固の兵卒に叱られるものもある。....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
たが、そのままドッカリと椅子に腰を卸《おろ》すと、応接机の上に突伏してギクギクと欷歔《すすりなき》し始めた。 検事は子供を労《いたわ》るように立上って、草川巡....