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款待
「款待〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
款待の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
烏帽子のひたいを押し直した。 「玉藻《たまも》の前《まえ》。きょうはいろいろの御
款待《おんもてなし》、なにかと御苦労でござった」 若い公家は左少弁兼輔《さしょ....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
さんはミッション・スクウルを出た婦人で、先生とは大分年は違うが、取廻しよく皆なを
款待《もてな》した。奥さんは先生のことを客に話すにも、矢張「先生は」とか「桜井が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
までもここに逗留していてくれと無愛想な口で澹山にすすめた。こうして一家の人々から
款待されて、澹山の方でもひどく喜んで、自分の居間として貸して貰った離れ座敷を画室....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
な手つきをして、更に女中の持って来た果物を勧めたりした。 始終七分身の態度で、
款待しつづけ、決してかの女の正面に面と向き合わない夫人の様子に、かの女は不満を覚....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
冷水を汲み、新らしいタオルを添えるなど、この気の利かない私よりもずっと行き届いた
款待振りである。そういう場合氏の亙りの長い手足は、中年の良妻のような自由性と洗錬....
「家」より 著者:島崎藤村
お種が入って来た。 「ネブ茶を香ばしく入れましたから、持って来ました」とお種は
款待顔に言て、吾子と弟の顔を見比べて、「正太や、叔父さんにも注いで進げとくれ」 ....
「家」より 著者:島崎藤村
った趣のある言葉が正太の胸を往来した。名高い歌妓が黒繻子の襟を掛けて、素足で客を
款待したという父の若い時代を可懐しく思った。しばらく彼は、樺太で難儀したことや、....
「嵐」より 著者:島崎藤村
を祝する私の心はその盃にあふれた。私は自分の年とったことも忘れて、いろいろと皆を
款待顔な太郎の酒をしばらくそこにながめていた。 七日の後には私は青山の親戚や末....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
敬され、ジュール・ベルネの科学小説が所謂新文芸として当時の最もハイカラなる読者に
款待やされていた。 二十五年前には外山博士が大批評家であって、博士の漢字破りの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たしはお前さんのお客であるから、お前さんはお客に親切にしてくれるでしょうね。客を
款待するということは、たとい三日間あの世に行っていた人たちでも当然の義務ですよ。....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
っているのを吟誦したものか、いずれとも受取れるが、遊行女婦は作歌することが一つの
款待方法であったのだから、このくらいのものは作り得たと解釈していいだろうか。この....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なり、そうして、どこへ行ってもホテル代を払わずに旅行が出来るようになるであろう。
款待を受けることを当然と心得ている世界漫遊者も、わたしの記憶しているだけでは、だ....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ったが、十時頃まで話し込んだ。学生風なのはその頃マダ在学中の三木竹二で、兄弟して
款待されたが、三木君は余り口を開かなかった。 鴎外はドチラかというとクロース・....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
て愛嬌があった。緑雨に冷笑されて緑雨を憎む気には決してなれなかった。が、世間から
款待やされて非常な大文豪であるかのように持上げられて自分を高く買うようになってか....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
い光景を、門越しに眺めて秀吉はほくそ笑みました。 「これならさすがの名人も風雅な
款待が出来ないだろう」 一方利休は、もうちゃんと起きていました。起きているどこ....