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歌人
「歌人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歌人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
彼は一時は知事などにもなった或政治家の次男だった。が、豪傑肌の父親よりも昔の女流
歌人だった母親に近い秀才だった。それは又彼の人懐《ひとなつ》こい目や細っそりした....
「少年」より 著者:芥川竜之介
わん》を知ったのである。しかし狭苦しい東京湾も当時の保吉には驚異だった。奈良朝の
歌人は海に寄せる恋を「大船《おおふね》の香取《かとり》の海に碇《いかり》おろしい....
「或る女」より 著者:有島武郎
い》」という続き物の論文を載せていた。福田《ふくだ》という女の社会主義者の事や、
歌人として知られた与謝野晶子《よさのあきこ》女史の事などの名が現われているのを葉....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
は遠出のこの不忍の池へ来たのには理由があった。いまから十八年前、画学生の逸作と娘
歌人のわたくしとは、同じ春の宵に不忍池を観月橋の方から渡って同じくこの料亭のこの....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、と聞く。 むかし、秋田何代かの太守が郊外に逍遥した。小やすみの庄屋が、殿様の
歌人なのを知って、家に持伝えた人麿の木像を献じた。お覚えのめでたさ、その御機嫌の....
「友人」より 著者:上村松園
だから絵の方でもまあ、独りぼっちの独り研究といった形であった。 かえって女流の
歌人だとか、絵にあまり関係のない女の方とつき合うほうが多かった。 私の友人は、....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
、やっぱり歌を作るとか読むとかいう姉さんがいてね。君の事を話してやったら、「あの
歌人はあなたのお友達なんですか」って喫驚していたよ。おれはそんなに俗人に見えるの....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
――その前にもう一つ書きたき事は恒藤も詩を作れる事なり。当時僕等のクラスには詩人
歌人少からず。「げに天才の心こそカメレオンにも似たりけれ」と歌えるものは当時の久....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
d. スウェーデン人ゴールドシュミッド夫人。一八二〇―一八八七。有名のソプラノの
歌人。 チューリン(地)Turin.(イタリア) チロール(地)Tyrol.(オ....
「税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
者が、税所敦子女史であることを知って、はたと画材をつかんだのである。 近代女流
歌人として、税所敦子女史の名はあまりに名高い。が、その名高さは、女史の歌の秀でて....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
す――山つづきといっても可い――鶯谷にも縁のありますところに、大野木元房という、
歌人で、また絵師さんがありまして、大野木夫人、元房の細君は、私の女友だち……友だ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
蔑するのでもなく、また自ら尊大にするのでもない。加茂川は鬼神の心をも和ぐるという
歌人であるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しいので、鼻下、頤に髯は貯え....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
歎息した。 「串戯じゃないまったくです、私は基督教になっても可い。今のその根岸の
歌人に降伏をして、歌の弟子になっても構わん。どうかして治してやりたいじゃありませ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
一人、相撲甚句を歌い、竹の足二本とその歌の調子に合わせ、こもごもその足を上下す。
歌人の音声清らかにして調子熟すれば、その足の上下一層迅速にして、座中を縦横におど....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
」などと詠んだ気もちであろうか。ところで、これらの歌だけを読んでも、茂吉ぐらいの
歌人になれば、(いや、大方の勝れた
歌人になれば、)いかなる不幸に逢っても、どんな....