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「歌垣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歌垣の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
、遊楽不窮」と。 しぐれ降る頃には、裳羽服《もはき》の津の上で少女男が往き集う歌垣が催された。 男列も、女列も、青褶《あおひだ》の衣をつけ、紅の長紐を垂れて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものが流行ったということでございますね」 「古いことを担ぎ出したものだな、あれは歌垣《うたがき》といって、やっぱり男女入り乱れて踊るんだ、ずいぶんいかがわしい話....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
風俗はエスキモー種族の間にかなり広く行われているのではないかと思う。我邦の昔の「歌垣」の習俗の真相は伝わっていないが、もしかすると、これと一縷の縁を曳いているの....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
が、専門家の口頭に伝承せられていたのが、国家以前からの状態である。其が各、寿詞・歌垣の唱和・新叙事詩などを分化した。かけあい歌が、乞食者の新叙事詩の影響をとり入....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
る。男女幾十人が数珠の環の回るがごとく歓喜に満ちて踊り巡るのですが、わが国古代の歌垣もこんなものかと思われます。こういう宴会はその家の交際の多少と貧富の度合に従....
古事記」より 著者:武田祐吉
賣 八田の若郎女 木梨の輕の太子 妻爭い 大國主の神 伊豆志袁登賣 女鳥の王歌垣 嫉妬 須勢理※賣 石の比賣の命 醜女 石長比賣 丹波の二女王 ....
古事記」より 著者:太安万侶
した。そこでその伯母樣のイヒトヨの王がお喜びになつて、宮に上らしめなさいました。歌垣 ――日本書紀では、武烈天皇の太子時代のこととし、歌も多く相違している。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
唄う謡は、木の葉の音に乗らないのである。 お盆になると、踊りにうたうこの地方の歌垣から転訛したような謡も、木の葉笛には複雑すぎてだめだった。 結局、彼は、神....
私本太平記」より 著者:吉川英治
地方では、上下共に楽しみといえば自然飲み食いか男女の関係にかぎられている。筑波の歌垣に似た上代の遺風が今なお祭りの晩には行われるほどだった。早熟の風も、ひとり高....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
は、相手の歌の文句なり内容なりにかけて、それに縁故ある歌を歌うの義であろう。昔の歌垣というのは、集まった人が並んで人垣を作り、互いに歌を詠み交わすための名であろ....