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「歌妓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歌妓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
、彼も、彼女の所有者ではなかった。彼らが去れば、すぐ独軍の将校たちがワルシャワの歌妓たちの歓待を受けるのだ。お前は、独軍の将校たちの手のうちにお前の女を今手渡し....
」より 著者:島崎藤村
た…… お種の考えることは、この年の若い、親とも言いたいような自分の夫に媚びる歌妓のことに落ちて行った。同時に、国府津の海岸で別れたぎり、年の暮に成るまで待っ....
」より 著者:島崎藤村
とか、「香影」とか、そういう漢詩に残った趣のある言葉が正太の胸を往来した。名高い歌妓が黒繻子の襟を掛けて、素足で客を款待したという父の若い時代を可懐しく思った。....
阿宝」より 著者:田中貢太郎
何所かにぼんやりしたところがあったから、よく人にかつがれた。その孫は他所へ往って歌妓でもいると、遠くから見ただけで逃げて帰った。その事情を知ったものがうまくこし....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
おどろいて眼をさまして、漁師はわが船を他の場所へ移した。沈んでいる船は幾人の歌妓を載せて来て、ここの浦で顛覆したのであるという。 凶宅 宋の襄城の李....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
くて、親方に縋りたれど、内に居ては水一つ汲まぬ者なり。手足の動かぬを何にかせむ、歌妓にも売れざるを、塵塚に棄つべきが、目ざましき大金になるぞとて、北叟笑したりし....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の静寂の空気を破って、鋭い尖った叫び声がひびいてきた。 最初はあたかも楽劇の首歌妓も及ばぬような佳い音調で、それがだんだんに調子を上げて、ついにその頂点は苦痛....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
こうしていつか月も経ち夾竹桃や千日紅が真っ赤に咲くような季節となり、酒楼で唄う歌妓の声がかえって眠気を誘うような真夏の気候となってしまった。 張教仁はある夜....
築地の川獺」より 著者:田中貢太郎
が架ったが、あの辺は地震|比まで川獺の噂があって逢引橋の袂にあった瓢屋などに来る歌妓を恐れさした。瓢屋の婢は川獺の悪戯をする晩を知っていて、お座敷が終って歌妓達....
作画について」より 著者:上村松園
地や張りのある芸妓を描くので、多少野暮らしい感じがすると人に言われます。 「天保歌妓」(昭和十年作)などにそれがよく現われていますが――しかし、それも私の好みで....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
同 九年 「青眉」京都市展出品「母子」帝展第十五回出品 同 十年 「天保歌妓」春虹会展出品「鴛鴦髷」東京三越展出品「春の粧」大阪美術倶楽部記念展出品「土....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
いかい御雑作じゃのう」と、会釈をした。 お梶は、もう四十に近かったが、宮川町の歌妓として、若い頃に嬌名を謳われた面影が、そっくりと白い細面の顔に、ありありと残....
鼓の音」より 著者:田中貢太郎
て双子らしい袷を着た壮い色の白い男が鼓を肩にしてすわっていた。その日は二階に客も歌妓も、婢も、何んにもいないことを知っている主翁は、びっくりして眼をみはった。そ....
春心」より 著者:田中貢太郎
へ来て立っていた。 「ほんとですよ、山県さんとか伊藤さんとか、豪い方の奥さんは、歌妓だと云いますから、歌妓でもお妓でも、それはかまわないようなものの、お宅は物が....
水魔」より 著者:田中貢太郎
にしたが、すぐ歩き出した。山西はその右の手に己の手をかけようとした。と、二三人の歌妓らしい女伴がむこうの方から来たので、出そうとした手をひっ込めた。 二人はも....