歌書[語句情報] » 歌書

「歌書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歌書の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
うた。すると、公は他に言葉もなくて徐ろに「源氏」とただ一言。紹巴がまた「めでたき歌書は何でござりましょうか」と問うた。答えは簡単だった。「源氏」。それきりだった....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
んを直しながら夫が出発のしたくを手伝うので、半蔵はそれに力を得た。彼は好きで読む歌書なぞを自分の懐中へねじ込んだ。というは、戸長の勤めの身にもわずかの閑を盗み、....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
句気安いようで、疲れて寝る臥床の中に、その夜の夢は一入平和である。 山吹の名所歌書には井出の玉川をその随一とするよう記されてはあるが、さて今はさる名所も探ぬる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》しがって、想像したような心持ばかりではないらしい。 音に聞えた鳴海と聞いて、歌書や、物語で覚えた古《いにし》えの鳴海潟《なるみがた》のあとをたずねてみたくな....
短歌習作」より 著者:宮本百合子
如 呪はれて呪ひて見たき我思ひ 物語りめく折もあるかと 紫陽花のあせたる花に歌書きて 送りても見んさめたる心 カサ/\と落葉ふみつゝ思ひ見る 暗き中....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
なると庭から入って来た。かの女が夕飯を済まして、所在なさに眼のほうたいを抑え乍ら歌書や小説をばあやに拾い読みして貰っていると、庭の裏木戸がぎしいと開き、庭石に当....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
あり。あるひは琴を弾じ画《え》を描きまたは桜の枝に結び付くべき短冊《たんざく》に歌書けるものあり。あるひは矢を指にして楊弓《ようきゅう》を弄《もてあそ》びあるひ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の細川幽斎公は、太閤在世中にも、侍して青巌寺へ来たことがあるし、山上に長くいて、歌書の著述などを書いていた一夏もあるので、青巌寺にはその折のままになっている幽斎....
私本太平記」より 著者:吉川英治
年。頼源僧都が帝をお見舞いしたとき、したしく後醍醐からおたのみをうけていた漢書や歌書などがやっと見つかったので、それのついでに、徒然のおなぐさみ物を少々揃えて、....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
しておかしくない一詠を拾い、描写の扶けとする構想でいたら、手許にあると思っていた歌書がない。考えてみると、群書類従で見たのである。ところがその群書類従は、正続二....