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歎
「歎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
開して来る。そこには何らの映像をも与えない叙景があった。何らの感激をも含まない詠
歎があった。そうしてまた、何らの理路をたどらない論弁があった。彼が数日を費やして....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も気がついたと見えて、今まで袴《はかま》の膝の上に伏せていた視線をあげると、半ば
歎願するように、怯《お》ず怯《お》ず私の顔色《かおいろ》を窺いながら、前よりやや....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
流第一の才子が、如何《いか》に中御門の御姫様は御美しいのに致しましても、一旦の御
歎きから御生涯を辺土に御送りなさいますのは、御不覚と申し上げるよりほかはございま....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
。衣食の計に追われている窮民《きゅうみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを
歎ずるのは勿論|贅沢《ぜいたく》の沙汰《さた》であろう。けれども苦痛そのものは窮....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
思い出した。また、それがないにしても、その時にはもう私も、いつか子爵の懐古的な詠
歎《えいたん》に釣りこまれて、出来るなら今にも子爵と二人で、過去の霧の中に隠れて....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
う今はあの影のようなものも、二度と眸底《ぼうてい》は横ぎらない。何小二はもう一度
歎息して、それから急に唇をふるわせて、最後にだんだん眼をつぶって行った。
....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
》の上へ、ほろほろ涙を落し出した。これからはらいそへはいろうとするのに、用もない
歎《なげ》きに耽《ふけ》っているのは、勿論|宗徒《しゅうと》のすべき事ではない。....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
侍《ひござむらい》は、無理に話頭を一転すると、たちまち内蔵助の忠義に対する、盛な
歎賞の辞をならべはじめた。
「過日もさる物識りから承りましたが、唐土《もろこし》....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、無遠慮に手に取って見れば、椎の葉はいつも椎の葉である。
椎の葉の椎の葉たるを
歎《たん》ずるのは椎の葉の笥たるを主張するよりも確かに尊敬に価している。しかし椎....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
です。現についこの間も、ある琵琶法師《びわほうし》が語ったのを聞けば、俊寛様は御
歎きの余り、岩に頭を打ちつけて、狂《くる》い死《じに》をなすってしまうし、わたし....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
とがなかったのです。
「どうでしょう? あなたのご鑑裁《かんさい》は」
先生は
歎息《たんそく》を洩らしたぎり、不相変《あいかわらず》画を眺めていました。
「ご....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
野君の胴《どう》が腐ってしまいます。」
「困る。実に困る。」
年とった支那人は
歎息《たんそく》した。何だか急に口髭《くちひげ》さえ一層だらりと下《さが》ったよ....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える妓の愛想よく酒を勧むる暇さえ、「招かれざる客」の
歎きをする久米、――そう云う多感多情の久米の愛すべきことは誰でも云う。が、私は殊....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
こした、――諸君は断じて旧い手紙を読んではいけない! 世間の人は大きな苦悶や悲
歎を探し出そうとして、自殺者の生涯をいたずらに穿鑿する。だが、多くの人が自殺をす....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ころが、その死後、いつも彼が、重罪犯人の訴訟記録をしまっていた事務机の中から、悲
歎にくれた公証人が、次のような、奇怪な書きものを見つけ出した。 それにはこんな....