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「歎ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歎ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
。衣食の計に追われている窮民《きゅうみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを歎ずるのは勿論|贅沢《ぜいたく》の沙汰《さた》であろう。けれども苦痛そのものは窮....
婦系図」より 著者:泉鏡花
た婦は、お蔦の他ありません。母親の顔も知らないから、噫、と喟然として天井を仰いで歎ずるのを見て、誰が赤い顔をしてまで、貸家を聞いて上げました、と流眄にかけて、ツ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てその王婿アイ(Ai)は『余は余の軽侮する神々の前に膝を屈しなければならない』と歎ずるようなはめに立至ったのである。 アメンホテプ――またクト・エン・アテンス....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
奉公人と成、或は軽軒香車の後に走り、或は青侍格勤の前に跪く。世の盛衰、時の転変、歎ずるに叶はぬ習とは知りながら、今の如くにして公家一統の天下ならば、諸国の地頭御....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
るという態度は、誠に刑名法術者流の根本的誤謬であって、彼ら自身「法を造るの弊」を歎ずるの失敗に陥ったのみならず、この法律万能主義のために、かえって永く東洋におけ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
慰《きんい》す、もしあるいは病危うければ本夫をして領出せしめ、ただその婦の薄福を歎ずるのみ〉。前述一向宗徒が門跡様をありがたがったごとし。ジュボアの『印度の風俗....
風流仏」より 著者:幸田露伴
世を経れば貧には運も七分凍りて三分の未練を命に生るか、噫と計りに夢現分たず珠運は歎ずる時、雨戸に雪の音さら/\として、火は消ざる炬燵に足の先|冷かりき。 ....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
立ち悦ぶ。 「損得にはそれがしも引廻されてござるかナ。」 と自ら疑うように又自ら歎ずるように、木沢は室の一隅を睨んだ。 其後|幾日も無くて、河内の平野の城へ突....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
一動のために、併せて天下の学問を左右進退せんとするの勢なきに非ず。実に国のために歎ずるに堪えずとて、福沢先生一篇の論文を立案し、中上川《なかみがわ》先生これを筆....
無表情の表情」より 著者:上村松園
合致して成立つものですが、殊にこの能楽というものは、泣く、笑う、歓喜する、憂い、歎ずる、すべてのことが決して露骨でなく、典雅なうちに沈んだ光沢があり、それが溢れ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
べ》で尊敬して裏面《りめん》で排撃《はいげき》するとか社会の人に心の礼のない事は歎ずるに余りあり。大原君をして何の仕事をなさしめずともこれから社会に向って心の礼....
五重塔」より 著者:幸田露伴
理荒れたる態あわれにて、襤褸衣服にそそけ髪ますます悲しき風情なるが、つくづく独り歎ずる時しも、台所の劃りの破れ障子がらりと開けて、母様これを見てくれ、と猪之が云....