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歎息
「歎息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歎息の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
|落胆《らくたん》した。一時は「神ほとけも讐《かたき》の上を守らせ給うか」とさえ
歎息した。この上|仇《あだ》を返そうとすればまず旅に出なければならない。しかし当....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
う今はあの影のようなものも、二度と眸底《ぼうてい》は横ぎらない。何小二はもう一度
歎息して、それから急に唇をふるわせて、最後にだんだん眼をつぶって行った。
....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
とがなかったのです。
「どうでしょう? あなたのご鑑裁《かんさい》は」
先生は
歎息《たんそく》を洩らしたぎり、不相変《あいかわらず》画を眺めていました。
「ご....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
野君の胴《どう》が腐ってしまいます。」
「困る。実に困る。」
年とった支那人は
歎息《たんそく》した。何だか急に口髭《くちひげ》さえ一層だらりと下《さが》ったよ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
はどちらじゃな、)といって聞かれたから、私は一人旅の旅宿のつまらなさを、しみじみ
歎息《たんそく》した、第一|盆《ぼん》を持って女中が坐睡《いねむり》をする、番頭....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
らず、そんな御註文に応ずるのが、ええ、河野、どこにだってあるものか。」 と果は
歎息して云うのであった。河野は急に景気づいて、 「何、無いことはありゃしない。そ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ましょう。一息、お休息なさいますか。 美女 (夢見るようにその瞳を※く)ああ、(
歎息す)もし、誰方ですか。……私の身体は足を空に、(馬の背に裳を掻緊む)倒に落ち....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、我等修業の妨となり、従うて罪の障となって、実は大に迷惑いたす。」 と、やや
歎息をするようだったが、更めて、また言った。 「時に、この邸には、当月はじめつ方....
「女客」より 著者:泉鏡花
嬉しそうに、快よさそうに眠られる時は、なお堪らなくって泣きました。」 聞く方が
歎息して、 「だってねえ、よくそれで無事でしたね。」 顔見られたのが不思議なほ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
「ほんとうですとも。それからそのニチャリが、」 「右のな、」 と春狐は、ああと
歎息する。 「ええ、ぞっこんとなって、お稲ちゃんをたってと云うの、これには嫂が一....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
あ、墓所を知っているだけでも、あなたより増かも知れん。 そうですか。」 また
歎息して、 「お墓所もご存じない。」 「はい、何にも知りません。あなたは、よく私....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
のを、 「……………………」 ただ咽喉を詰めて熟と見つつ、思わず引き入れられて
歎息した。 廉平は太い息して、 「まあ、貴女、夫人、一体どうなさった。」 「訳....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
い。水を汲む、胡瓜を刻む。俎板とんとん庖丁チョキチョキ、出放題な、生欠伸をして大
歎息を発する。翌日の天気の噂をする、お題目を唱える、小児を叱る、わッという。戸外....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、正に本章の圧巻で、再思三考に値する。人心の悪化、労資の軋轢、世界現状の行詰等を
歎息するものは世間に多いが、それ等の中の幾人かが、かかる世相の由って来る所を、奥....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
いました。」 「蝙蝠ですと。」 「ああ、落ッことしたの、可哀相に。」 と思わず
歎息をして呟いた。 母様は笑を含んだお声でもって、 「廉や、それはね、雨が晴れ....