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歓呼
「歓呼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歓呼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れは彼等の笑を買うべく、余りに壮厳すぎる滑稽であった。勿論彼等の間からは、喝采も
歓呼も起らなかった。
彼は手足の砂を払うと、やっとずぶ濡れになった体を起して、....
「或る女」より 著者:有島武郎
夫人万歳」「万歳」「万歳」
田川その人に対してよりもさらに声高《こわだか》な大
歓呼が、桟橋にいて傘《かさ》を振り帽子を動かす人々の群れから起こった。田川夫人は....
「家霊」より 著者:岡本かの子
、学生たちは娘への影響があった証拠を、この揮発性の野菜の堆さに見て、勝利を感ずる
歓呼を挙げる。 くめ子は七八ヶ月ほど前からこの店に帰り病気の母親に代ってこの帳....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ある。そうしてその声はたしかに人を闇黒より呼び返す声である。予は実に子どもたちの
歓呼の叫びに蘇生して、わずかに心の落ちつきを得たとき、姉は茶をこしらえて出てきた....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
人もなかった。ワーッワーッと、まるで闘牛場のような騒ぎだった。――その嵐のような
歓呼の絶頂に、わが歌姫赤星ジュリアはパッタリ舞台に倒れて虫の息となってしまった。....
「火星探険」より 著者:海野十三
ること約三千メートルで宇宙艇はやっと停止したのだった。 全員は、おどりあがって
歓呼の声をあげた。誰の目からも、よろこびの涙があふれて頬をぬらしていた。そうでも....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
。音楽が聞える。花火が上る。一体之は何ごとが始まったのであろうか。 嵐のような
歓呼とでも云いたい喧騒の中をくぐりぬけて、最後に彼の棺桶は、たいへん静かな一室に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の推測がついに適中した。すごい雨のあった翌朝、一掃された氷塔をみて、三人はわっと
歓呼の声をあげたのだ。濃霧の暗黒の底から盛りあがる氷の咆哮を聴きながら、温霧谷の....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
のもある。陛下のお姿が窓にかくれて、露台が闇につつまれた後も、宮城の森に反響する
歓呼の声はしばらく止まなかった。 帰りはなるべく混雑の少い抜道を択んで、もとの....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
見やるのだったが、その時、軍船の舵機が物のみごとに破壊された。新しい囚虜を得た、
歓呼の鯨波が、ドッといっせいに挙がる。 おお、魯西亜の軍船アレウート号は、われ....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
と響きそうなかつこうで立つていた。 それからトラックやら自動車やらに分乗して「
歓呼の声に送られて」と、○○の連隊の近所まで送つて行つたのはついきのうのことのよ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
間はあたかも暫らく消息不明であった遠征将軍が万里の旅から凱旋したのを迎えるように
歓呼した。が、二葉亭自身は一時の経済上の必要のため拠ろなく筆を操ったので、再び文....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
けつつ「我は既に大臣となれり」と傲語したのは最も痛快なる幕切れとして当時の青年に
歓呼された。尾崎はその時学堂を愕堂と改め、三日目に帝都を去るや直ちに横浜埠頭より....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
のままに、彼は絞首役人の上に踊りかかった。群衆は凶暴に昂奮し、この勇猛な外国人に
歓呼を送りながら、警備を突破して、チノコと役人の組打ちのぐるりを囲んだ(これがイ....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
は絶体絶命の気持ちで袖を掻き合わせ、眼を瞑っていた。すぐ表通りをハッキリと、 「
歓呼の声に送られて 今ぞ出で立つ父母の国 勝たずば生きて還らじと」 若く太....