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歓喜
「歓喜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歓喜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
彼は四学年を卒業した時、こう言う借りものの小説の中に「猟人日記」の英訳を見つけ、
歓喜して読んだことを覚えている。が、「教育上の責任」は常に彼等と人間同士の親しみ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
中へ私を引きこんで参りました。私は眼がうるみました。体も震え始めました。苦痛とも
歓喜ともつかない感情は、用捨《ようしゃ》なく私の精神を蕩漾《とうよう》させてしま....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
解している。しかしそれが何になるんだ? 彼等は猛烈な恋愛を知らない。猛烈な創造の
歓喜を知らない。猛烈な道徳的情熱を知らない。猛烈な、――およそこの地球を荘厳にす....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
く眩暈《めまい》が起るのを感じた。そうしてその光の中に、大勢《おおぜい》の男女の
歓喜する声が、澎湃《ほうはい》と天に昇《のぼ》るのを聞いた。
「大日※貴《おおひ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
書《えはがき》や日暦《ひごよみ》――すべてのものがお君さんの眼には、壮大な恋愛の
歓喜をうたいながら、世界のはてまでも燦《きら》びやかに続いているかと思われる。今....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
った遺恨《いこん》だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大
歓喜のあまり、大きい書物に化《ば》けながら、夜中《よじゅう》刑場に飛んでいたと云....
「女」より 著者:芥川竜之介
ょ》と墓とを兼ねた、紗《しゃ》のような幕の天井の下に、天職を果した母親の限りない
歓喜を感じながら、いつか死についていたのであった。――あの蜂を噛み殺した、ほとん....
「路上」より 著者:芥川竜之介
恢復していない事を意識した。彼の心はいつになく、不思議な動揺を感じていた。それは
歓喜とも苦痛とも弁別《べんべつ》し難い性質のものだった。彼はこの心の動揺に身を任....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のである。
又
好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。第一に
歓喜を語るのに好い。第二に不平を訴えるのに好い。第三に――いてもいないでも好い。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
んぶつ》を見るより望みはない。自土即浄土《じどそくじょうど》と観じさえすれば、大
歓喜《だいかんぎ》の笑い声も、火山から炎《ほのお》の迸《ほどばし》るように、自然....
「或る女」より 著者:有島武郎
うな期待が葉子を未練にした。それからというもの葉子は忘我渾沌《ぼうがこんとん》の
歓喜に浸るためには、すべてを犠牲としても惜しまない心になっていた。そして倉地と葉....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛するものは二倍の恵みを得るとはこれをいうのだ。私は予期するとおりの獲得に対して
歓喜し、有頂天になる。そして明かにその獲得に対して感激し感謝する。その感激と感謝....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
らすべり下りると敷石の上に身を投げ出して、思い存分泣いた。その小さい心臓は無上の
歓喜のために破れようとした。思わず身をすり寄せて、素足のままのフランシスの爪先き....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ぬ顔にて居たり。 予はこれまでにて筆を措くべし。これよりして悦び悲しみ大憂愁大
歓喜の事は老後を待ちて記すべし。これよりは予一人の関係にあらず。お梅(かの女の名....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
にそれを眺める。それは、殺すということが、生きものの心の中に自然が投げ込む大きな
歓喜に外ならないからである。生きものにとっては殺すということほど立派なこと、尊敬....