歓心を買う[語句情報] » 歓心を買う

「歓心を買う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歓心を買うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
婦で信用さえ得れば、そのうちにはどうにかなるつもりでいますので」 母親の安心と歓心を買うように、小野田は言った。 お島はその傍に、長くじっとしていられなかっ....
縮図」より 著者:徳田秋声
切ってもらうことにしていた。抱えたちを競争させることにも妙を得ていたが、親たちの歓心を買うことにも抜目がなく、本人の借金が殖えれば殖えるだけ、主人は儲かるので、....
厨房日記」より 著者:横光利一
単身ニューヨークに渡った。そして、アメリカの銀行家と企業家三百人を招待して彼らの歓心を買うため八十人の踊子と金の葉巻入を振りまき、一割の利息で四億ドル借り受けに....
夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
誰だろう――) 勿論黒吉はその僅かばかりの給料を蓄えてはいなかった、彼は葉子の歓心を買う為に、その殆んど全部を費してしまっていたのだ。 (この親切な人は誰だろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のくらいの労力や才覚は何でもない、つとめて保温を完全にして、今夜一晩の、この娘の歓心を買うことにつとめなければならない。それには、どうしても、いま現に利用しつつ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
は極めて巧妙、その行動は甚だ敏活、巧みにわれ等の事業を摸倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、其伝播力、感染力は驚くべく強大である。彼等は神の敵で....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
淀君を妾とし、秀頼を儲けて以来、いささか凡人に還ったように凡人化し、マリア皇后の歓心を買うためには、どんなことでもやろうという心持ちになっていた。 それへ付け....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
らし》とも思われない。女房《にょうぼ》を失くした淋しさから櫛をやったりしてお菊の歓心を買うに努めていたものとみえる。小道具といい身のまわりといい饂飩屋|風情《ふ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って養われ、いざ合戦という場合には非常に強かろうと想像して、なるべくネパール国の歓心を買うようにして居る場合であるからです。この際ネパールに行って頼むということ....
それから」より 著者:夏目漱石
いても聞かなくっても、三千代に金を貸して満足させたい方であった。けれども三千代の歓心を買う目的を以て、その手段として金を拵《こしら》える気はまるでなかった。代助....