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止まる
「止まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
止まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
己を不快にさせるくらいだ。いくら鳶が鳴いたからといって、天日《てんじつ》の歩みが
止まるものではない。己の八犬伝は必ず完成するだろう。そうしてその時は、日本が古今....
「路上」より 著者:芥川竜之介
が》ちな目を移した。それが彼の眼と出合った時、女の視線はしばらくの間《あいだ》、
止まるとも動くともつかず漂っていた。彼はその刹那《せつな》、女の長い睫毛《まつげ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
そのうちに馭者の「スオオ」と言ったのはまだしも俺のためには幸福である。俺は馬車の
止まる拍子《ひょうし》にやっと後《あと》ずさりをやめることが出来た。しかし不思議....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
にしておよそ二十ばかり、一つ所に集まって、くるくる風に渦を巻いているのが、御眼に
止まる事でしょう。それだけなら、何も申し上げるほどの事はありませんが、ためしにそ....
「或る女」より 著者:有島武郎
。古藤は何かに腹を立てているらしい足どりでずかずかと縁側を伝って来たが、ふと立ち
止まると大きな声で帳場《ちょうば》のほうにどなった。
「早く雨戸をしめないか……....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
ちかどんかい、お前朝草刈をするのかい、感心なこったねい」 おれがこう云って立ち
止まると、 「馴れないからよく刈れましね、荒場のおじいさんもたいそうお早くどこへ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
いものがあるからであろう。 天災地変の禍害というも、これが単に財産居住を失うに
止まるか、もしくはその身一身を処決して済むものであるならば、その悲惨は必ずしも惨....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
気あるところにはまた陸あり、陸にはまた 溢るる水ありて空気に光もなく 陸には立ち
止まるべきわずかの場所もなく 水には泳ぐべき少しの流動さえなかりき。 いかなる物....
「海異記」より 著者:泉鏡花
んなはらねえかって、艫からドンと飛下りただ。 船はぐらぐらとしただがね、それで
止まるような波じゃねえだ。どんぶりこッこ、すっこッこ、陸へ百里やら五十里やら、方....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
て、なんとか言って寝てしまうのが常である。そりゃおとよの事ゆえ、もちろん人の目に
止まるようなことはせぬ。でそういう所に意志を労するだけおとよの苦痛は一層深いこと....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
りくる中を滑って行くのは見ても気持ちがいい。四町の道を一気にすべって順次に三人が
止まると「それでは失敬」と帽子をとる。一人別れてすべって行く小林の後ろ姿を雪が降....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
まるのを感じ、何度も道ばたに立ち止まろうとした。けれども誰かに押されるように立ち
止まることさえ容易ではなかった。…… 三十分ばかりたった後、僕は僕の二階に仰向....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
見廻した。戸口で一秒時間程|躊躇した。「あれだ。あれだ。」フレンチは心臓の鼓動が
止まるような心持になって、今こそある事件が始まるのだと燃えるようにそれを待ってい....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
はおろか時によると二三尋も辷り落つることがある。辛うじて木株や松の根方などで踏み
止まる。踏み
止まるというより其処で支えられるのである。その危険をふせぐために、両....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
次欧州大戦勃発当時の如きは外務省は参謀本部よりベルギーの中立侵犯を通報せらるるに
止まる有様であり、また当時カイゼルは作戦計画を無視し(一九一三年まではドイツの作....