止り木[語句情報] » 止り木

「止り木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

止り木の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
ました。そこには、藁《わら》と毛布が敷いてありました。上を見ますと、梁《はり》や止り木に、およそ百羽ほどの鳩がとまっていました。みんな、眠っているように見えまし....
高台寺」より 著者:宮本百合子
て口論の場面が来、最後には奇想天外的に一匹の猿が登場する。瘠せた猿がちょこなんと止り木にのっている。前に立って飽かれた妻が重そうな丸髷を傾け、 「猿公《えてこう....
道標」より 著者:宮本百合子
頭が灰色で黒ネクタイをつけた茶色のもっと小さい一羽が、自分からぴったりくっついて止り木にとまっているようだった。若い内海厚が却ってつつましくドーリヤからはなれて....
地獄の使者」より 著者:海野十三
口の金具もしっかり締まっています。この鳥籠の中に小鳥が飼ってあって、それが生きて止り木に停ってわれわれを見下ろしていた場合、それからその小鳥が腹を上にして死んで....
小鳥」より 著者:宮本百合子
いずついる。少し空が曇り、北風でも吹くと、元気な文鳥以外のものは、皆声も立てず、止り木の上にじっとかたまって、時雨《しぐ》れる障子のかげを見ているのである。 ....
」より 著者:宮本百合子
粟を満した。次手に水も代えた。余程空腹であったのだろう。手を入れた時、さっと上の止り木に舞い上った鳥等は一枝、一枝と降り、私の指先がまだ皆は籠から出ないうちに、....
二十三番地」より 著者:宮本百合子
って居た。 日曜を一日、孝ちゃんの助手で作りあげた小屋には戸も何にもなくって、止り木と、床の張ってある丁度蓋のない石油箱の様なものでその三方を人間のくぐれそう....
博物誌」より 著者:岸田国士
ぱちと気持よく燃え、その炎は空に昇って、彼はちゃんと天国にたどりつく。 毎朝、止り木から飛び降りると、雄鶏は相手がやっぱり彼処にいるかどうか眺めてみる――相手....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
、とつぜん、キャラコさんの頭をめがけて突進してきて、翼でちょっと払っては、また、止り木へ戻ってゆく。いくども、こんな動作をくりかえす。 キャラコさんが、かけす....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
つえ》を離さなかった。枯枝に止った一羽の烏《からす》は、彼の心の影像であり、ふと止り木に足を留めた、漂泊者の黒い凍りついたイメージだった。 何にこの師走《しわす....
私の机」より 著者:岡本綺堂
でなく、ただぼんやりとしているときでも必ず机の前に坐っています。鳥でいえば一種の止り木とでもいうのでしょう。机の前を離れると、なんだかぐら付いているようで、自分....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しいのか、ひとりで笑っていた。 四条道場へ帰るとすぐ、 「おい、これを鷹部屋の止り木へ架けておけ」 門人の手へ、鷹をわたして、清十郎は草鞋を解いた。 はっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、教えた。 やしきに満ちている客をよそに、巌流はひとり鷹小屋にはいって、止り木の鷹と、もくねん、むかい合っていた。 餌をやったり、抜け毛を取ってやった....
童子」より 著者:室生犀星
しまってしまいにへんになるかも知れない。」 私は小鳥の顔を見上げた。ツイツイと止り木を移っている間に、うすうすその顔が目についた。 「オイ、あそこに、ああいう....