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止水
「止水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
止水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
見よ)。生来この藻は流水や噴泉で不断|盪《あら》わるる処に生えるがその胞子が偶然
止水中に入って困《くる》しんだ余り一計を案じ魚に託生してその魚が游《およ》ぐとち....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
いては、遥かに欧洲アルプスの、湖水を凌いでいる、たとい湖の面積深度は、浅小でも、
止水の明浄なことにおいては、彼に克《か》っている、殊に槍ヶ岳山脈の北翼、鷲羽《わ....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
全生命をうちこんで努力することです。禅定とは、沈着です。心の落ちつきです。「明鏡
止水」という境地です。智慧とは、これまでたびたび申し上げている般若の智慧です。も....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
い世間が拘泥しているものはないのだ。自分の社会的な立場が行きづまると、すぐに明鏡
止水と云ったような心境道徳を示すことによって問題を紛らせようとするし、そうかと思....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
だ。よしんば親は泥棒にしても子供同士は清浄無垢なものなんだ。況んや俺の心境は明鏡
止水、明月天に在り、水甕に在りだ。そんな軽薄な奴の息子にかけ換えのないお前を遣る....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
くて反証ばかりあがっていながらテッキリ此奴と名判官が睨むのは、その無私公明、青空
止水の如き心鏡に、被告人の鼻の表現がありありと映ったものに違いありませぬ。 か....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
に現われる現象に対して言わば赤子のごとき無私無我の心をもっていなければならない。
止水明鏡のごとくにあらゆるものの姿をその有りのままに写すことができなければならな....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
に立って認識をあやまらない心持ちである。「風雅の誠をせめよ」というは、私を去った
止水明鏡の心をもって物の実相本情に観入し、松のことは松に、竹のことは竹に聞いて、....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
人工的な手心を加えては、この「ありのまま」の姿がデフォームされる。認識主観は明鏡
止水でなくてはならぬと共に、凸凹していたり曲率があったりしてひねくれた歪曲したも....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
顔向けならない事件だということを、深く記憶しなければなるまい。 鳩山文相を明鏡
止水の心境から辞職の決意にまで追いこんだ岡本一巳代議士は、勢いに任せて今度は小山....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す。ポツリポツリと『中央公論』にでものせてね。「当世書生気質」の逍遙の插画と長原
止水の絵との時代的相異。明星時代と印象派の画家たち。自然主義と写実派の画家とはど....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
のである。水もとまらず、影も宿らず、そのお尻は醇乎としてお尻そのものであり、明鏡
止水とは、又、これである。 乳くさい子供の香がまだプンプン匂うような、しかし、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のである。一時抗戦したが、すぐ白旗をかかげた。謀略的敗退とちごう。私の心境は明鏡
止水である。 アロハは完全に地下へくぐった。銀座を歩いてみたまえ。あれほど抜群....
「露の答」より 著者:坂口安吾
こだわる量見はないのですから、光風霽月と申しますか、水従方円器と申しますか、明鏡
止水の心境です。内閣の方では全然こだわらぬにも拘らず、之が世間へもれてくると、大....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の画の価値を認めたものが日本人にまるきりないわけではなかった。洋画界の長老|長原
止水の如きは最も早くから椿岳を随喜した一人であった。ツイ昨年|易簀した洋画界の羅....