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正しく
「正しく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正しくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
だ、石の橋欄《きょうらん》ばかりが、ほのかに青んだ暮方《くれがた》の空を、黒々と
正しく切り抜いている。が、女は未だに来ない。
尾生はとうとう立ちすくんだ。
....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
行ったのでね。」
馬琴は、本能的にちょいと顔をしかめながら、いつもの通り、礼儀
正しく座についた。
「へへえ、朝湯に。なるほど。」
市兵衛は、大いに感服したよ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
は年輩の袴《はかま》羽織や背広も、二三人は交っていたらしい。それが広い空間を規則
正しく塞《ふさ》いだ向うには、壁に嵌《は》めこんだ時計の下に、うす暗い書庫の入口....
「或る女」より 著者:有島武郎
がって、いつもに似ず書斎の戸の前に立ち止まって、しわぶきを一つして、それから規則
正しく間《ま》をおいて三度戸をノックした。
こういう事があってから五日《いつか....
「或る女」より 著者:有島武郎
こう側に、うやうやしく居ずまいを正《ただ》して、愛子がひそひそと泣きながら、規則
正しくおじぎをするのを見ると葉子はすぐ癪《しゃく》にさわった。どうして自分はこの....
「星座」より 著者:有島武郎
ジャンが、コーセットをマリヤスに与えた時の心持を。
階子段《はしごだん》を規律
正しく静かに降りてくる足音がして、やがてドアが軽くたたかれた。
その瞬間清逸は....
「想片」より 著者:有島武郎
の時その人にとって物的環境は単なる物ではなく、実に生命の一要素である。物的環境が
正しく調節されることは、生命が
正しく生長することである。唯物史観は単なる精神外の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
春が来るのだ。 君よ、春が来るのだ。冬の後には春が来るのだ。君の上にも確かに、
正しく、力強く、永久の春がほほえめよかし‥‥僕はただそう心から祈る。 (一九一八年四月、大阪毎日新聞に一部所載)....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
間に美徳が美徳でなくなるという第一義的な真理を本能の如く知っているのは彼女だ。又
正しく彼女を取り扱うことの出来ないものが、仮初にも彼女に近づけば、彼女は見る見る....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
○ これも
正しく人間生活史の中に起った実際の出来事の一つである。 ○ また....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
さらばとて外側の帯は氷雪の虐げあり、 ただ残る二帯のみ暖と冷と 幸いあるほどに
正しく交じり合えり。 空気はそのエーテルより重きことはなお 水の土よりも軽きがご....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
とにつきてはモーゼスの功労が、どれ丈け与って力あるか測り知れないものがある。彼は
正しく斯界の権威であると同時に、大恩人でもあった。 さてこの『霊訓』であるが、....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
り、夕方の五時に出て十時にとまりました。ちょうど兵隊が行軍するのと同じように規則
正しくやりました。 マルコはパンをやく火をこしらえたり牛や馬にのませる水をくん....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
たちはグリーンズバラと呼んでいるが、本来はタリー・タウン(ぶらつき町)という名が
正しく、また普通にはその名で知られている。聞くところによれば、この名は、そのむか....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ありますが、同時に訪中の目的のためには、中国の姿をありのままに沢山みて、その姿を
正しく日本の勤労大衆、国民につたえるためであります。私どもが日本を発つにあたって....