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「正午〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正午の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。のみならずまだ薄暗かった。まだ?――しかし玄鶴は置き時計を見、彼是《かれこれ》正午に近いことを知った。彼の心は一瞬間、ほっとしただけに明るかった。けれども又い....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
籤《からくじ》を加えて、ふたたび福引を行った。そうしてそれをおわったのはちょうど正午であった。避難民諸君は、もうそろそろ帰りはじめる。中にはていねいにお礼を言い....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ように、第二の私は、再び私の前に現れました。 これは一月の十七日、丁度木曜日の正午近くの事でございます。その日私は学校に居りますと、突然旧友の一人が訪ねて参り....
高野聖」より 著者:泉鏡花
って、飛ぶ鳥も見えず、雲の形も見えぬ。 道と空との間にただ一人我ばかり、およそ正午《しょうご》と覚しい極熱《ごくねつ》の太陽の色も白いほどに冴《さ》え返った光....
婦系図」より 著者:泉鏡花
電車の中の、その半纏着。 誰が引く袖 四十六 土曜日は正午までで授業が済む――教室を出る娘たちで、照陽女学校は一斉に温室の花を緑の空に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
南北の方位を定め、また冬期夏期における太陽の高度や世界の回転軸の位置を定め、また正午における陰影の長さから春分秋分の季節を定めるために使われた。メソポタミアの都....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
えって、白い花のが見事に咲きますのでございまして。…… 四年あとになりますが、正午というのに、この峠向うの藪原宿から火が出ました。正午の刻の火事は大きくなると....
朱日記」より 著者:泉鏡花
ば、全校の二階、下階、どの教場からも、声一つ、咳半分響いて来ぬ、一日中、またこの正午になる一時間ほど、寂寞とするのは無い。――それは小児たちが一心不乱、目まじろ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
い処を、その薬師堂へ参ったですが。 朝の内に月代、沐浴なんかして、家を出たのは正午過だったけれども、何時頃薬師堂へ参詣して、何処を歩いたのか、どうして寝たのか....
星女郎」より 著者:泉鏡花
」 三十五 「私はまた…… (もう一度は、その翌年、やっぱり春の、正午少し後った頃、公園の見晴しで、花の中から町中の桜を視めていると、向うが山で、....
親ごころ」より 著者:秋田滋
。旅人の姿をみると、悲しそうな顔をして、情けない声をしぼって哀れを訴えた。また、正午の野良で、一株の木のまわりに集って弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、....
狂人日記」より 著者:秋田滋
|殺った。昼食を済まして、川端を歩いていると、釣師が一人柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置いてあるような按配に突立....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
が道祖神の化身なら、この子供には、こんがら童子の憑移ったように、路も馬も渉取り、正午頃には早く所口へ着きました。可心は穴水の大庄屋、林水とか云う俳友を便って行く....
式部小路」より 著者:泉鏡花
も入らず。 店には誰も居なかった。昨日の今時分は、ここで柿の皮を剥いて食べた、正午まわりを帰り路の、真赤な荷をおろした豆腐屋があったに。 学生の姿が見えなく....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
せなかったが、仲間から発会式の模様をきき、翌日、さっそく学校の許可を受け、十二日正午から軍研反対の学生大会を開くことにした。 ところが相撲部など運動部を中心と....