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「正史〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正史の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
厳島合戦」より 著者:菊池寛
賢の無道を討つという看板を掲げ、名分を正したに過ぎない。尤も勅命を受けたことも、正史にはない。 毛利が陶と不和になった原因は、寧ろ他にあるようだ。晴賢が、義隆....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
吉野の行宮は師直の放火によって炎上し、南朝の頽勢は既に如何ともし難い。 恐らく正史に於ける正行の活動は数年に過ぎない。亦正成にしても、大体そんなとこである。そ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
に乗せ、槍を立てて引廻したという、そんな事があったかという、それだけです。 博士正史でなく、小説、浄瑠璃の中を見ましょうで。時の人情と風俗とは、史書よりもむしろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
出来事でありました。 けれども、天皇がこの地に御遷座ありしというようなことは、正史のいずれにも見らるるところではなく、ただこの地の伝説だけに残っているのであり....
推理小説について」より 著者:坂口安吾
探偵小説の愛好者としての立場から、終戦後の二、三の推理小説に就て、感想を述べてみよう。 横溝正史氏の「蝶々殺人事件」は終戦後のみならず、日本における推理小説では最も本格的な....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
に相違ない。切支丹と言へばバテレンの妖術使ひと一口に言ふが、真に妖術使ひの足跡を正史にとゞめてゐる者は金鍔次兵衛の外にはない。 ポルトガルの商船はまた長崎に入....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
いかな皆合わない。 列伝としてみたらどうだろう。この一篇はいろんな偉い人と共に正史の中に排列すべきものではない。自伝とすればどうだろう。わたしは決して阿Qその....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
のがある程度だ。世界的に名の知れた人々の作品で、そうなのである。 日本では横溝正史が抜群であり、作家としての力量は世界のベストテンに楽にはいりうるものである。....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
合したような、事蹟が残されているのだ。 それが紀州公|姉川探鯨だったのである。正史においてすら、仄かではあるけれど、西班牙との密貿易の嫌疑が記されているように....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
とにかく死に場所はハッキリしないが、そのカマ山に葬ったとある。これも両面スクナの正史と伝説の両面、つまり正史においてはクマソ日本武尊の二ツによく似ています。五瀬....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
った方が堂々と来朝移住し、負けた方がコソコソ遁入して隠遁定着するのも自然の数で、正史が亡命者の方を大ッピラに記載できないような意味もあったろう。そして関東一円に....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
に尊称となりし如く、エミシも亦貴名となり了りぬ。蘇我氏の一大臣は蝦夷とも蝦※とも正史に出でたり。エミシを又エビスとも云ひたり。其孰れが原語なりや未だ調査せざるも....
屍体と民俗」より 著者:中山太郎
法頭の所有者であった大臣が死んだ折に、それを発掘して首を斬って盗んだ者があったと正史に載せてある。今でも各地に残っている梓巫女《アズサミコ》と云う者は、人頭が獲....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
この事件が縁故で、慧鶴は橘屋へ出入りするようになった。 この話は、白隠の伝記の正史にはない。江戸時代の随筆のうちにある。あまりに昔の型通りな恋愛譚の発端なので....
古事記」より 著者:武田祐吉
くは行われなかつた。これは、その成立後八年にして、日本書紀が成立し、これが國家の正史として見られたからでもあるのだろう。日本書紀は、三十卷あつて、帝紀と本辭のほ....