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正否
「正否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正否の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
評家へ折紙をつける。しかも作家のつける折紙のほうが、論理的な部分は、客観的にも、
正否がきめられうるから。(以上新思潮第九号)
○夏目先生の逝去《せいきょ》ほど惜....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
な知識のない吉田にはその解決がつくはずはなかった。その原因を臆測するにもまたその
正否を判断するにも結局当の自分の不安の感じに由《よ》るほかはないのだとすると、結....
「旅愁」より 著者:横光利一
ある金塊の額は計り知れぬという説明を縷縷として述べていた。どちらも論理そのものの
正否よりも、ただ負けたくない感情だけが論理を動かしているのだった。したがって議論....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
されてもはや変動を起こさなくなったのではないかという事である。 この作業仮説の
正否を吟味しうるためには、われわれは後日を待つほかはない。もし他日この同じ地方に....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
民的思想や国民的信念でおきかえて行かれるだろう。日本人的であるかないかが、理論の
正否を決定するという風習が成長されるだろう。そしてファッショ思想家、国粋主義者・....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に、宗教商人の跋扈となる。但しくれぐれも看過してならぬことは、相手の霊界居住者の
正否善悪に対する審判である。この点に於て本章の説く所は正にわれ等に絶好の指針を与うるものである。....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
料によって心理過程を単義的に予報する事が出来ない。従って、作者の心理過程の描写の
正否を判断する標準が判然としていない。これは精神科学が物質科学ほどに堅固な地盤に....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
大するよりはむしろ減少せしめることである。』
アダム・スミスは、彼れの議論の
正否が、『穀物の貨幣価格の』騰貴が、『その貨物を農業者にとりより有利ならしめるこ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
手紙を書くことによって、だれにもさまたげられないで、ぼくの考えていることを、その
正否は別として、いちおうピンからキリまで君につたえることができると思うのだ。もっ....
「科学批判の課題」より 著者:三木清
ない。カントの仕事は、当時の自然科学、殊にニュートンの物理学の個々の命題の善悪、
正否を批評することにあったのでなく、誰でも知るように、数学的自然科学の基礎づけ、....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
に欠陥があるからにもよるけれども、その解義だけに満足して、得たる結果についてその
正否を検証することをしないからの罪であった。 これらは、一、二の例であるが、要....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
階級性という限り二つの階級の対立を原型とするのだから)、二つの階級的論理の論理的
正否の関係そのものが、論理的に明らかにされているのだ。之をいくつもの民族的論理?....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
間の主観をとおすと、お天気さえも、同一でなくなるのだから、歴史の真実とか、史料の
正否など、なおさら、そう、かんたんにいいきれるものではない。 まして微量でも、....
「社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
という合言葉(或いは寧ろ出来合いの便宜的用語)によって示される不満は、その言葉の
正否に関係なく、重大問題でなくてはならぬ。現に私も亦、社大党の綱要の大きな一つで....