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正夢
「正夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「庭」より 著者:太宰治
い、かぜをひいたような気持になったが、病身の兄は、一向に平気で、さらに所望し、後
正夢《のちのまさゆめ》と蘭蝶を語ってもらい、それがすんでから、皆は応接間のほうに....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
《とりかた》に手向いして、重々不届至極に付獄門に行うものなりとあり。新吉はこれぞ
正夢なり、妙な事も有るものだと、兄新五郎の顔が眼に残りしは不思議なれど、勘藏の話....
「正夢」より 著者:萠円
腹を抱えて笑いました。 けれども禿紳士は笑わないで申しました。 「お前達の夢は
正夢であった。御蔭で俺は善人になる事が出来た」 「じゃ、あの神様は本当の神様だっ....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
んと持っている。 夢は覚めても忘れずに、妾はちゃんと持っている。 扨は今のは
正夢か、本当にあった事なのか。 そして妾があのように貴い身分になる事を、 前....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に摺りむけている。おっかさんも驚いてきゃっと云うと、夢が醒めた……。もしやこれが
正夢で、せがれの身の上に何か変事でもあったのじゃあ無いかと、おっかさんも頻りに案....
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
た。それと同時にわたしは、メデューサの首がわたしの身体の中に飛び込んだという夢が
正夢に思えて、身震いを禁ずることができませんでした。 わたしは悪戯をした人間を....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
お旦那が、お産のすむまで宿を貸せと台所口から御入来ですものねえ、夢は、やっぱり、
正夢、これも、日頃のお不動信心のおかげでございましょうか。おほほ。」と、ここを先....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
私のおでこにおまじないを。
四月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(柳瀬
正夢個展より(一)「蒙古人」、(二)「水屋」、(三)「料理人」、(四)「合歓の花....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
一本田――中野重治の故郷、福井県一本田。 直さん――徳永直。 柳瀬さん――柳瀬
正夢。 戸塚の母――佐多稲子。 七月三十日 〔網走刑務所の顕治宛 福島県郡山....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
げたくらいに驚いたそうです。 お貞さんは家の娘にその話をして、これがほんとうの
正夢というのか、なにしろ生れてからあんなに怖い思いをしたことはなかったと言ったそ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
(いつか見た――今まで、まざまざと残っている、あの父の血塗《ちまみ》れの夢は、
正夢であった)
と、思うと、悲しさと、憤りとが、いっぱいになってきた。
「不束....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
れ。なよたけのかぐやがこうして生れたのですじゃ。長いこと待ちあぐんでいた儂の夢が
正夢となって現れたのですじゃ。……お若い方。儂は信じておった。本当にあのなよたけ....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
らして呉れとは云わぬ。行かして呉れ。先生御無事ならば、直様此方へ帰って来る。もし
正夢で御病気ならば、御看病申上げて、其後は屹と帰る。金打致して誓い申す」 真心....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りましねえ。」 「と言うと?」藤吉は思わずきっとなった。 「ああに、夢なら夢でも
正夢《まさゆめ》でごぜえますだよ。旦那の身体がお前さま、置場の梁にぶら下って。」....
「取り交ぜて」より 著者:水野葉舟
に見た通り探《さ》がすと果《はた》して見付《めっか》った。これも友人が最近に見た
正夢《まさゆめ》である。 ○ 十時頃にならねば眼が醒めぬという朝寝坊....