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正妻
「正妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
んにも知らないおせいにも、自分のような貧乏な、無学な、知り合いもないような人間を
正妻に迎えるわけがないのは分りきっているのに、しらじらしい顔つきをして、自分の娘....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うどこの事件のあった十年まえ、あれなる青まゆの女を向島の葉茶屋から退《ひ》かして
正妻に直したころから、しだいにその放埓《ほうらつ》が重なり、ついにお公儀の譴責《....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ない黒死館には、相次いで奇怪な変死事件が起ったのだ。最初は明治二十九年のことで、
正妻の入院中愛妾の神鳥みさほを引き入れた最初の夜に、伝次郎はみさほのために紙切刀....
「爛」より 著者:徳田秋声
ったとか、貞操が疑わしいとか、何とか言ってさ。黒田はそれでも私に惚れていたから、
正妻に直す気は十分あったんだけれど、何分にも阿父さんが承知しないでしょう。そこへ....
「女性崇拝」より 著者:岡本かの子
利口なやり方だと言う。 武士道と言えば、女は眼中にないような風に言われながら、
正妻となるとなかなか格式を与えて十分な権利を主張せしめている。淀君にうつつを抜か....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
鏡王女は鏡王の女で額田王の御姉に当り、はじめ天智天皇の御寵を受け、後|藤原鎌足の
正妻となった。此処の神奈備は竜田の神奈備で飛鳥の神奈備ではない。生駒郡竜田町の南....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
。たとえば、近衛家から輿入れがあると、それに身分の高い上臈がついて行く。御簾中が
正妻だが、ついてきた上臈たちとも、将軍は夫婦関係を結んだ。これは、てかけ、めかけ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
、それになかなか気性のしっかりした女ですから、誰にかけても難攻不落の要塞で、まあ
正妻も同じこってさあ。なにしろ貞淑な女ですからなあ、全く! ねえ、神父さんがた、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ざけきった四幕のあとで、事件の錯綜《さくそう》によって、欺こうとしてる夫の寝床に
正妻がはいるようなことになって、法典の勝利をもたらすがゆえに――(法律が救わるれ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
となったが、元来妾という裏切り行為を屑とせず、断然之を精算して、自ら進んで名家の
正妻となったけれども、散々苦労の末、遂に破鏡の憂目に遭った。世の荒波にもまれなが....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
でてくる。次男坊でも、十男坊でも、ちゃんとそれぞれの名前がある。ところが女の方は
正妻の長女に生まれても、ただ「女」である。そして某に嫁したと云って、結婚した男の....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
になるとあっては一大事である。それにカテリーナ・リヴォーヴナは、まさにその良人の
正妻であるに相違ない。うち見たところ負債もない様子である。であってみれば、よろし....
「古事記」より 著者:太安万侶
追い撥《はら》つて、自分で大國主の命となつてそのわたしの女《むすめ》のスセリ姫を
正妻として、ウカの山の山本に大磐石《だいばんじやく》の上に宮柱を太く立て、大空に....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
々と云っていました」 「とかくそんなものですよ。金持ちというものは、――実際には
正妻より妾の方が勢力があるものと定っていますからね」 「私はまるで床の間の置物で....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
いた。奥様運の悪い人で、器量望みで貰った最初の妻ともいれて五人目のを失ってからは
正妻を迎えず、外に囲ってあった第二夫人を家にいれていた。 第二夫人は有名な美人....