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「正服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正服の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の鳥」より 著者:太宰治
たしは、いつも、こうなんだ、と自分ながら気味悪いほどに落ちついた。 ドアの外で正服の警官がふたり見張りしていることをやがて知った。どうするつもりだろう。忌《い....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
。その時梯子を下りかけていた妹娘のイリヤは、愕然としたように振り向いたが、警部の正服を見ると、すぐ険しい緊張を解いた。その六尺近い豊かな肉付きは、まさにアマゾン....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
の……(鬼がと云おうとしたが、流石に自分を鬼とは云えなかった)日本軍が強いのは、正服を着た軍隊に対した時だけだよ。平常服の俺等にゃ、いくら日本軍でも手が出せめえ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
で、今は村の巡査をして、和歌など詠み、新年勅題の詠進などして居る。其巡査の話に、正服帯剣で東京を歩いて居ると、あれは田舎のお廻りだと辻待の車夫がぬかす。如何して....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ん》な面持で歩をはこんでいる。と、そのあとから聖者レザール氏の長身が現われた。僧正服《そうじょうふく》とアラビア人の服とをごっちゃにしたような寛衣《かんい》をひ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》った前日の恐ろしいものを打ち消してやろうとした。祝典を飾る観兵式があるために、正服の軍人が往来するのもごく自然らしかった。ジャン・ヴァルジャンは身を隠す者のよ....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
、食後の散歩に、三人で丘の方から街道へおりかかる時だった。 街道を、彼方から、正服の巡査と労働者らしい男とが、肩と肩をくっつけるようにして歩いて来た。双方から....
文づかい」より 著者:森鴎外
ろの銃猟仲間の会堂にゆきて演習見に来たまいぬる国王の宴にあずかるべきはずなれば、正服着て待つほどに、あるじの伯は馬車を借して階の上まで見送りぬ。われは外国士官と....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
う話しの訳が分りました。それは竹内先生はその時美術学校の教官であったので、学校の正服を着けて、学生を率いて式場附近へ参列する途中であったということが分ったのであ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
かく、今度の旅行は、美術学校の教官として実地見学に出向くのでありますから、学校の正服を着けて参らねばならない。これが始末が悪いので閉口しました。 それから、今....
」より 著者:徳永直
時のハズみでする暴行だ。命をとられる程のこともあるまいと思った彼であった。刑事や正服に護られて、会社から二丁と離れてない自分の家へ、帰ったのだった。そして負傷し....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
が緑色の服に金色のボタンを付け、縁を赤く隈取った白い襟飾りを着ける、これより外に正服はない。 最も遠隔した支那国すらも数千年前に列に入り全世界と同様に生活して....
三国志」より 著者:吉川英治
廻していた。すると、大勢の中にあった伊籍が、玄徳にそっと目くばせして、 「まだご正服のままではありませんか。衣をお着かえなされては如何」と、囁いた。 意を悟っ....