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正業
「正業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
行の害毒を列挙すること左の如しである 要は破壊にあらずして建設、悪物退治にありて
正業保護、罵らんとして罵るにあらず、傷つけんとして傷つくるにあらず、正論硬議、熱....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
に、饂飩屋になるなんて、第一それからが不了簡《ふりょうけん》だ」 「饂飩屋だって
正業だ。金を積んで、貧乏人を圧迫するのを道楽にするような人間より遥《はる》かに尊....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、それが為であった。かれらは女牢でその年を送って、明くる天保十三年の三月、今後は
正業に就くことを誓って釈放された。去年の冬から百日あまりの入牢が一種の懲戒処分で....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
か。ね、奥さん、支倉さんなんかにくっついていては碌な事はありません。浅田はとに角
正業で堂々とやっているのです。奥さん、どうかよく考えて下さい」 「私はそんな事に....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
いうことにはなはだしく不快を感じた。正直なかれの心には、父親の職業は人間のすべき
正業ではないようにつねに考えられているのである。 だまされさえしなければ、今で....
「虚子君へ」より 著者:夏目漱石
安《こうもりやす》ですな。あれは旨い。本当にできてる。ゆすりをした経験のある男が
正業について役者になったんでなければ、ああは行くまいと思いました。顔もごろつきそ....
「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
の時代のイギリスで、病人の看護をするのが聖業であるというような女は、他のまともな
正業には従えない女、主としてもう往来を歩くには年をとりすぎたアルコール中毒の淫売....
「新しい卒業生の皆さんへ」より 著者:宮本百合子
白いことに、食うための計画性そのものが、社会的な計画性と一致して来てしまいます。
正業に従っている限り。だって、そうでしょう? 千八百円ベースが公称二千九百円にな....
「正義の花の環」より 著者:宮本百合子
られるはずである。ところが、実際にはどこへ金が吸いこまれてしまっているのだろう。
正業にしたがっているものは、税、税の苦しみで、片山首相が「間借り」で都民税一二〇....
「連環記」より 著者:幸田露伴
時中を過したというのではなく、後世からは余業雑業と斥けて終うようなことにも、正道
正業と思惟さるる事には恭敬心を以て如何にも素直にこれを学び之を行じたのであった。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎの二人の農夫で、仕事着を着て、籠を背負ったなり。これはこの地特有の副業、或いは
正業としての有名な、胆吹山の薬草取りのこぼれであることは疑うべくもありません。た....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
せん。あなたが弁護士でしたら、殺人犯人がどんなに喜ぶか知れませんよ。泥棒や詐欺は
正業という結論になったでしょうよ。債権者は罪人になります」 「私をからかうために....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
五年前に乞食をやめ、薬種商をひらいている。実に重太郎が乞食の世界を巡歴して彼らを
正業につかせようと努力しはじめたのはわずかに十七の時である。この少年の献身的な忠....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
のあたりの肉づきはあくまで豊艶《ゆたか》になって、全身の姿の何処ということなく、
正業の女には見られない妖冶《ようや》な趣が目につくようになった。この趣は譬《たと....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
ろう。獄を出でても縁る辺なき身となってしまっては、折角一旦改悛せんとしても進んで
正業に就くの方便なく、再び罪科を犯さねばならぬ事にもなるのは、実際やむをえない場....