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正気
「正気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
いたが、二度目に自家《うち》の蔵の中で仆《たお》れた時には、医者を呼んで、やっと
正気にかえして貰うまで、かれこれ三十分ばかりも手間どった。平吉はその度に、医者か....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う。阿父さん。」
童部《わらべ》はこう何度も喚《わめ》きましたが、鍛冶はさらに
正気《しょうき》に還る気色《けしき》もございません。あの唇にたまった泡さえ、不相....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
その内に突然沈黙が、幻の男女たちの上へ降った。桶の上に乗った女も、もう一度|
正気《しょうき》に返ったように、やっと狂わしい踊をやめた。いや、鳴き競っていた鶏....
「河童」より 著者:芥川竜之介
せん。僕はただ目の前に稲妻《いなずま》に似たものを感じたぎり、いつの間《ま》にか
正気《しょうき》を失っていました。
二
そのうちにやっと気がついてみると、....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
ょうか、昨夜《さくや》も御実検下さらぬと聞き、女ながらも無念に存じますと、いつか
正気《しょうき》を失いましたと見え、何やら口走ったように承わっております。もとよ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
たか、茂作は昨日《きのう》よりも熱が下って、今まではまるで夢中だったのが、次第に
正気《しょうき》さえついて来ました。この容子《ようす》を見た祖母の喜びは、仲々口....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
黄いろい炎である。「ああ火が燃えている」と思う――その次の瞬間には彼はもういつか
正気《しょうき》を失っていた。………
中
馬の上から転げ落....
「路上」より 著者:芥川竜之介
顔をしながら、ため息をつくようにこう云った。
「いや、実際厳密な意味では、普通|
正気《しょうき》で通っている人間と精神病患者との境界線が、存外はっきりしていない....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
云う人は、もと深川《ふかがわ》の左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時|
正気《しょうき》を失った後《のち》、急に菩提心《ぼだいしん》を起したとか云う、で....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
――警察署長|閣下《かっか》、
先ず何よりも先に、閣下は私《わたくし》の
正気《しょうき》だと云う事を御信じ下さい。これ私があらゆる神聖なものに誓って、保....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ないと信じていた。
僕の母は三日目の晩に殆ど苦しまずに死んで行った。死ぬ前には
正気に返ったと見え、僕等の顔を眺めてはとめ度なしにぽろぽろ涙を落した。が、やはり....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
かく彼はえたいの知れない幻《まぼろし》の中を彷徨《ほうこう》した後《のち》やっと
正気《しょうき》を恢復した時には××胡同《ことう》の社宅に据《す》えた寝棺《ねが....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
手順を違えずに、神を祈下そうとしましたが、お敏は泰さんとの約束を守って、うわべは
正気を失ったと見せながら、内心はさらに油断なく、機会さえあれば真しやかに、二人の....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
中の插画だったらしい。この夢うつつの中の景色だけはいまだにはっきりと覚えている。
正気になった時のことは覚えていない。 一〇 「つうや」 僕がいちばん....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
て、相かわらず頭を高く上げているのだった。 公然と戦場で彼の敵と相対峙するのは
正気の沙汰ではなかった。なにしろ敵は恋路を邪魔されて引きさがるような男でないこと....