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「正眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
言葉を切った。が、治修は黙然《もくねん》と耳を傾けているばかりだった。 「二人は正眼《せいがん》に構えたまま、どちらからも最初にしかけずに居りました。その内に多....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
りもっと大きな威嚇のもととなったものは、その時主水之介が初めて見せた諸羽流奥義の正眼《せいがん》崩しで、当時七人組は江戸の町道場を人なきごとくに泣かせ歩いた剣豪....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のまま――。そして、静かに威嚇いたしました。 「馬鹿者共めがッ。江戸御免の篠崎流正眼崩しを存ぜぬかッ。その菜切《なっき》り庖丁をおとなしゅう引けッ」 だのに、....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、あれで行くのです。あれで行くのです。江戸御免なるあの月ノ輪型の向う疵と、諸羽流正眼崩《もろはりゅうせいがんくず》しのあのすさまじい剣脈で行くのです。 「しっと....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
し出された頼母は、寝床のそばから、飛び返って、床柱を後に当てて、二尺に足らぬ刀を正眼に構えていた。老人ながら、颯爽たる態度である。 「おう!」吉川が斬り込んだが....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
のように漂渺とした顔の唇には蜂蜜ほどの甘みのある片笑いで、やや尻下りの大きな眼を正眼に煙らせて来た。眉だけは時代風に濃く描いていた。復一はもう伏目勝になって、気....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
さッと身を引いて六寸八分南蛮鉄の只一本に、九尺柄タンポ槍の敵の得物をぴたりと片手正眼に受けとめたあざやかさ! ――双頬、この時愈々ほのぼのと美しく紅を散らして、....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
い! たじたじとあとに引きさがったのを、 「わはは。どうじゃ! いらぬか。諸羽流正眼くずしの一刀が只の二千金とは安いぞ。安いぞ。ウフフ。誰も要らぬと見ゆるな。で....
本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
る。 本因坊は、まさしく剣客の構えである。眼は、深く、鋭く、全身、まさに完全な正眼だ。 両方で、時々、むずかしい、と呟く。十時にビワがでる。本因坊はアッサリ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
んだ。もういけないと観念をして、小枝を地上へ抛り出し、抜き合わせた醍醐弦四郎の、正眼に構えた刀であった。 上と下とで二本の刀が、凄じい気合で拍子取っている。刀....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
た、この世ならぬ美に胸|衝たれ恍惚から来た身の顫えか? 下段に構えた刀を引き入身正眼に付けたまま、いつまでもじっと動かない。 こうして瞬間の時が経った。 ハ....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
みをくれ、この勢いに驚いて、三人の武士が後へ退いた隙に、はじめて刀を引っこ抜き、正眼に構えて身を固めた。 すると、その時一人の武士が、主税を透かして見るように....
剣侠」より 著者:国枝史郎
。二人だけの太刀打ち勝負、遠慮なくどこからでも切り込んで来なせえ!」 ピタリと正眼に太刀を構えた。 「さすがは高萩の見上げた態度、それでこそ男だ気持がいいや。....
」より 著者:犬田卯
へ出ては口ひとつきけるものいねえんだから、情けねえありさまよ。そこを君が、堂々と正眼に構えて太刀を合せたんだから……」 「つまらねえこというな。」 「つまらねえ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
とは夢にも思っていません。 うつし身のつひに果てなん極みまで 添ひゆくいのち正眼には見よ 私は紅山茶花を見るといつも思うのです。家庭というものは、こうも静....