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「正装〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正装の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
から離れて落ちるように、眠り足りてぽっかり眼を醒《さ》ましましたが、枕もとには、正装し、すっかり元気を恢復《かいふく》した王子が笑って立って居りました。ラプンツ....
新郎」より 著者:太宰治
、きっちり角帯をしめている。ちょっと近所の友人の家を訪れる時にも、かならず第一の正装をするのだ。ふところには、洗ったばかりのハンケチが、きちんと四つに畳まれては....
火葬国風景」より 著者:海野十三
一つに眼を止めた。「逝ける一宮大将」とあって、太い四角な黒枠に入っている厳めしい正装の将軍の写真だった。その黒枠を見たとき、彼は電光の如く、さっきの奇妙な男の正....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をかなりよくさとった。彼はある時偶然に、パリーの司令官たる伯爵クータール将軍が、正装をして馬上で街路を通るのを見た。彼はその金ぴかで飾られてる人をうらやんだ、そ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
り輝いた光景であった。近くの兵営の一老兵士は、鉄門から園の中をのぞいて言った、「正装した春だ。」 自然はすべて朝食にかかっていた。万物は食卓についていた。今は....
出家物語」より 著者:坂口安吾
千万だと思った。 ★ ところが三日目の暮方、キヨ子が和服の正装して、やってきた。 もう来る筈がないときめこんでいた幸吉は呆れて、さては先....
探偵の巻」より 著者:坂口安吾
に晴らす魂胆でゐたのであつたが、肴になりかねないのは、こつちの方で、翌日のこと、正装した二人の不良少女が手みやげの最中かなんかぶらさげて、まだ戻らはらしまへんか....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
うてんだろうなア、この幽霊は」 その幽霊の本体はすぐそこに横たわっていた。特に正装とも思われないが、見苦しくない和服を身につけ、お化粧もし、今は解かれているが....
時 処 人」より 著者:岸田国士
とだけは記憶の底にある。 おやじが近衛連隊に勤めていたから、一家の正月は、その正装のように、にぎやかなものだつた。 おやじが馬に乗つて出掛けると、私は、学校....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
な覆布のついている、かなり著古してはあるが、極めてよく手入れのしてある茶色の服に正装して、朝食をとりに行く時には、別の給仕と、二人の荷持と、幾人かの女中と、女主....
戯作者」より 著者:国枝史郎
も無さそうである。 その翌日のことであったが、物堅い馬琴は約束通り、儀礼年始の正装で一九の家を訪れた。 「これはこれは滝沢氏、ようこそおいで下されやした。何は....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
いている。嘲笑、私語。気違い、気違いなどと囁き合っている。……文麻呂の背後には、正装した大納言大伴ノ御行。…… 舞台中央には、華麗な御所車が一台止っている。美麗....
かもじの美術家」より 著者:神西清
」の御面相だったからなので。ところが今度のような非常の場合になると、何はともあれ正装をして、頭のてっぺんから足の先まで熨斗を当て直し、型どおりの「軍人風」に仕上....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
も法師であった。たとえその分派のある者が頭に烏帽子を冠り、身に素袍を纏うをもって正装と心得るようにまで変って行っても、本来仏弟子であることには相違はない。それは....
すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
問もできはしない。 鴨料理の店「ツール・ダルジャン」のように堂々とした造りで、正装のボーイが鷹揚に構えているようなお店では、声も出ないのだろう。 私が「ツー....