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「正調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正調の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
で解らなかった。けれども、次第に正気でいる時間が長くなり、いつとはなく、ほとんど正調に復した頭脳になって来ると、自分の今までのことが、ちぐはぐながら思いやること....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。お玉の母はその後、やはりこの部落の中で味気ない一生を早く終って、間の山の正調と、手慣れた一挺《いっちょう》の三味線と、忠義なる一頭のムク犬とを娘のために....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
を掛け、じっと物の音に聞き惚れていた。ポンポン、ポンポン、ポンポンと、美妙な鼓の正調が、あざやかに抜けて来るからであった。 「ああ本当にいい音だなあ。……本陣油....
役者の一生」より 著者:折口信夫
役だったが、器量は決してよくなく、青い顔をして、真中にくくれがあった。大阪の実川正調も名女形だったが、でぶでぶ肥って融通の利かぬ女形で、いつも三十代の女房、武家....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
とが助けあって、一層抒情調をゆたかにしているのである。右のような点が『古今集』の正調にかえったといわれる点で、これは比べると、すべての意味で『金葉』『詞花』は才....