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正銘
「正銘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正銘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
屍体に附き添い、赤耀館を出て行ったのを御存知ですか。あの時までの勝見伍策は、正真
正銘の本人でした。あれから五日ほどのちに帰って来た勝見、そして、丈太郎氏の死後に....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
見廻し、黙って馳け寄って来た女の方へ振返った。 それは幽霊でも何でもない、正真
正銘の小森安吉だった。霧に濡れてかそれとも潮をかぶったのか、全身濡れ鼠になってい....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
える。 わたくしは淋しい気持に両袖で胸を抱いて言った。 「今度こそ二人とも事実
正銘の孤児になりましたのね」 「うん、なった。――だが」 ここでちょっと逸作は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も筋が悪いといって、どこでも評判がよくないようだぜ」 「ところが、これは大丈夫、
正銘まがいなしの折紙付きという代物です。宗匠、まあ御覧ください」 風呂敷をあけ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たそうで、苦力の五郎十郎が暗合しているには驚きました。但し私たちの五郎十郎は正真
正銘の苦力で、かたき討などという芝居はありませんでした。 * 「なにか....
「わが町」より 著者:織田作之助
もてやな、工事が失敗になって見イ、死んだ連中が浮かばれへんやないか。わいらは正真
正銘の日本人やぜ」 と、大阪弁で言った。すると、 「そうとものし、俺らはアメジ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
いう話だった。 もっとも、とにかく僕は、国籍と名だけはごまかしたが、しかし正真
正銘の僕の、しかもその時の着のみ着のままの風の写真をはりつけた、立派な旅券を持っ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
まも、はやくお面をぬぐんだ」 「あ痛た、たッたッたッたッ」ガスコは、ハイロが正真
正銘のガン人であることにもっと先に気がついていなくてはならなかった。ハイロの頭や....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
弱いのです。当分外へは出てはなりません、と外出|禁制。 以前は、その形で、正真
正銘の熊の胆、と海を渡って売りに来たものがあるそうだけれど、今時はついぞ見懸けぬ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
落ちて縁の下へ半分|身体を突込んで、斃死ていたげに云う……嘘でないな。」 「実説
正銘にござりまして、へい。餅屋|店では、爺の伝五めに、今夜、貴方様、お珊の方様、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、実地に当って見ますと、それはどこにあぶなげのない、いかにもがッしりとした、正真
正銘の現実の世界なのでございます。『若しもこれが蜃気楼なら世の中に蜃気楼でないも....
「風波」より 著者:井上紅梅
斤に比べると三斤足りない。彼の父の七斤に比べると一斤足りない。これこそ本当に正真
正銘の事実だから彼女は、「代々落ち目になるばかりだ」と固く言い張るのである。 ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
もとのあの眼に帰ってしまうのであった。 「だが、そんな怪談噺よりも、僕はいま正真
正銘のものを見てきたんだ。それが、ここへ来る終発の渡船だったんだが、ひとり殺られ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かけ、若がえらせ、学校にさがっていた壊れた鏡のかけらでかみの毛をなでつけた。正真
正銘の騎士らしいいでたちで恋人に目通りするために、彼はそのとき泊っていたハンス・....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
てしまって、今ではワルトンに包まれた混合物のようなアイリスが居た。ジョーンは正真
正銘のアイリスが見たかった。不純物を取り除きたかった。不純物を二度と再びくっ付か....