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「正門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

正門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
を掠《かす》めて、糸よりも細い光を落した。と思うと追々に赤煉瓦の色が寒くなって、正門の前から続いている銀杏《いちょう》の並木の下まで来ると、もう高い並木の梢《こ....
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
なくなってしまったのです。そうしたら、どうでしょう、帽子が――その時はもう学校の正門の所まで来ていましたが――急に立ちどまって、こっちを振り向いて、 「やあい、....
泥濘」より 著者:梶井基次郎
は係りに口を利《き》いた。小切手は中途の係りがぼんやりしていたのだった。 出て正門前の方へゆく。多分行き倒れか転んで気絶をしたかした若い女の人を二人の巡査が左....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
た。 豹一はわざと約束の時間より半時間遅れて行った。紀代子は着物を着て、公園の正門の前にしょんぼり佇んでいた。臙脂色の着物に緑色の兵児帯をしめ、頬紅をさしてい....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
であった。十日前に××刑務所を出獄した掏摸十二犯の悪漢である。彼は刑務所を出で、正門前に待ち合わせていた自動車に乗ったまま行方不明となったもので、同人の家族から....
地球盗難」より 著者:海野十三
飛んできて、博士邸の真上を飛び去ったかと思った途端、城のように高い壁に擁せられた正門の鉄扉に何かが当ってガーンと鳴り響いた。と同時にパッと一閃して煌々たる火焔が....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の人はもちろん知るまいが、麹町の桜田門外、地方裁判所の横手、のちに府立第一中学の正門前になった所に、五、六株の大きい柳が繁っていた。 堀端の柳は半蔵門から日比....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たと云われる高緯度の植物が、またたく間に死滅してしまったからであった。けれども、正門までは手入れの行届いた自動車路が作られていて、破墻挺崩しと云われる切り取り壁....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
、依然厚い雪雲の層に遮られて、空のどこにも光がない。その中を歩んで行くうち、ふと正門近くで法水は不思議なものにぶつかった。小さな人型をした真黒な塊が、突然横町か....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
りと鎮まりました。夜が明けてから神坐のあたりを調べると、なま血のあとが点々として正門の外までしたたっているので、李はその跡をたずねて、山を南に五里ほども分け入る....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
ムぐらいの小銭を支払わなくても済むからである。 ルクサンブルグ公園にある上院の正門の筋向いにあって、議場の討論に胃腑を空にした上院議員の連中が自動車に乗る面倒....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、ほかにも店の用事があるのとで、かたがた例よりは早く司令部へ出張すると、司令部の正門からちょうど向田大尉の出て来るのに出逢った。大尉はふだんよりも少し蒼ざめた顔....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
、ほかにも店の用事があるのとで、かたがた例よりは早く司令部へ出張すると、司令部の正門からちょうど向田大尉の出て来るのに出逢った。大尉はふだんよりも少し蒼ざめた顔....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
て取ったという自然のダイヤがいれてあった。これをそっと紙で巻き耳の穴に押し込み、正門から素知らぬ顔で堂々とその片眼鏡のにせ貴族は退去したそうだ。そういう時でも、....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
日の人はもちろん知るまいが、麹町の桜田門外、地方裁判所の横手、後に府立第一中学の正門前になった所に、五、六株の大きい柳が繁っていた。 堀ばたの柳は半蔵門から日....