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正面
「正面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
正面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《はと》。
2
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。
正面にはるかに仁王門が見える。樹木は皆枯れ木ばかり。
3
....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
った。しかし僕等が席についてまだ五分とたたないうちに外国人が五六人ちょうど僕等の
正面に当る向う側のボックスへはいって来た。しかも彼等のまっ先に立ったのは紛《まぎ....
「春」より 著者:芥川竜之介
まわないまでも、二年前には見られなかった、柔かい明るさを呼吸していた。殊に広子は
正面《しょうめん》にある一枚の油画に珍らしさを感じた。それはどこかの庭を描《えが....
「冬」より 著者:芥川竜之介
たほかにもペンキ塗りの戸の幾つも並んでいるのは共同便所にそっくりだった。面会室の
正面にこれも狭い廊下《ろうか》越しに半月形《はんげつがた》の窓が一つあり、面会人....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
々と動いて居りましたのも、涙の出るほど尊げに拝まれたものでございます。
まして
正面を眺めますと、御堂《みどう》の犬防《いぬふせ》ぎが燦々と螺鈿《らでん》を光ら....
「河童」より 著者:芥川竜之介
」
長老は大様《おおよう》に微笑しながら、まず僕に挨拶《あいさつ》をし、静かに
正面《しょうめん》の祭壇を指さしました。
「御案内と申しても、何もお役に立つこと....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
れ》みを乞うように何か笑ったりしゃべったりした。のみならずしまいには片手を挙げ、
正面の僕を指さしたりした。含芳はちょっとためらった後《のち》、もう一度やっと微笑....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
それに使う人形が二十幾つとかあると云うような事である。自分は、時々、六畳の座敷の
正面に出来ている舞台の方を眺めながら、ぼんやりKの説明を聞いていた。
舞台と云....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
級|上《のぼ》ると、扉が開いているので、中が見える。中は思ったよりも、まだ狭い。
正面には、一尊《いっそん》の金甲山神が、蜘蛛《くも》の巣にとざされながら、ぼんや....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
、一つにしたような建築である。丸い柱や、両方のガラス窓が、はなはだみすぼらしい。
正面には一段高い所があって、その上に朱塗《しゅぬり》の曲禄《きょくろく》が三つす....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
始まっていたらしかった。僕はテエブルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。
正面の新郎や新婦をはじめ、白い凹字形のテエブルに就いた五十人あまりの人びとは勿論....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のような妙子の顔が、やっと
正面に見えるだけです。その外は机も、魔法の書物も、床にひれ伏した婆さんの姿も、ま....
「初雪」より 著者:秋田滋
て行った。それは、鬱蒼と茂った老樹にぐるりを囲まれた、石造りの宏壮な建物だった。
正面には、見上げるような樅の木叢がたちはだかっていて、視界を遮っていたが、右のほ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、普通の家と軒を並べた、大きなギリシャ式の建物がある。戸を開けて這入ると、玄関の
正面には大きな石の廻り階段があって、その左右に室がある。室には、棚に書物あり、机....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
さん稼いでいた。日曜日に、選りぬきの歌い手たちを引きつれて、教会の聖歌隊の場所の
正面に席をしめることは、彼の虚栄心をなみなみならず満足させたものである。そこに立....