此の前[語句情報] » 此の前

「此の前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

此の前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》と二十六年祟ったからねえ、執念深《しゅうねんぶけ》え阿魔《あま》も有るもので、此の前《めえ》に助《すけ》と書いてあるが、是は何う云う訳か累の子だと云うが、子で....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
が、朱《しゅ》の紋縮緬《もんちりめん》と腹合せにしてほんのチョク/\着るように、此の前掛は古いのですが、二度ばかりっきゃア締めないんで、此の簪《かんざし》は私が....
職工と微笑」より 著者:松永延造
夫な身ですもの、今度こそは妊娠だと思います。ああ、あなたは何うして下さいますか。此の前のように間違いであったら好いと思っていますが。今度は何うしても間違いではあ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
殺人女の墓を見て居たのは何の為で有ろう。 其のうちに宴会の時刻と為った。叔父は此の前日に数名の下部《しもべ》を引き連れて此の家へ来、松谷秀子も今朝来たと云うこ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
し。東京警備司令官陸軍大将別府九州造。終り」 警戒管制に入る! おお、これは此の前に東京全市で行われたあの防空演習ではないのだ。この警戒管制には、市民の生命....
蠅男」より 著者:海野十三
長との三人だった。カオル達は、約束どおりに、帰阪するとすぐさま署へ出頭し、そこで此の前は不在だった父親ドクトルに連れ立って会いにきたものであることが分った。 ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
納戸兼勤を仰付けられました。御部屋住の前次様のお附き元締兼勤を仰付けられました。此の前次様は前申し述べました通り、武張ったお方で武芸に達した者を手許に置きたいと....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
フム、どういう騒ぎだッたね」 婆「これからお前さんの背中の穴の話になるんだが、此の前江戸から来た何とか云った落語家のように、こけえらで一節休むんだ、喉が乾いて....
光と風と夢」より 著者:中島敦
な昂奮《こうふん》がある。見知り越しの老酋長《ろうしゅうちょう》の所へ寄ったが、此の前会った時とは打って変って、若々しく活気づいて見えた。少し休んで一緒にスルイ....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
黒の羽織を着て、大小を差して紺足袋に中抜の草履を穿き、煙草を呑んで居りますると、此の前を通りまする娘は年頃二十一二でございますが、色のくっきり白い、山家に似合わ....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
きたのではないかしらと思い出し、そう思うとこんどは急いで封を切った。が、それには此の前の手紙と殆ど変らない事しか書いてはなくて、彼女の一瞬前に空想したように圭介....
提灯」より 著者:田中貢太郎
て僕の顔を見るのです。 「今比、何処へ往くのだ」 と聞くと、 「僕の家は、すぐ此の前だ、今帰るところだが、君達の方こそ、ぜんたい、何処へ往くのだ」 と、西森....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、一同無事を祝して別れを告げました。これより文治は彼方此方と尋ね廻りまして、漸く此の前泊りました旅籠屋へまいりました。 文「はい、御免下さい」 女「入っしゃ....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
いる紺青|臙脂の美は比類がない。アニリン剤の青竹や洋紅に毒された世界近代の画人は此の前に愧死するに値する。東京在住の人は帝室博物館に所蔵せられて頻繁に展示せられ....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
忘れたなんて、忘れ物をされると、折角楽みに来ても、却って腹立てる様になるからね。此の前、鱚の時に、僕の品匡を忘れられて、腹が立って立って堪らんから、そのまま漕ぎ....