此処いら[語句情報] »
此処いら
「此処いら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此処いらの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
まっているのだろう。何が私たちの上に起り、そして過ぎ去ったのであろう? 「さっき
此処いらで昼顔を見たんだけれど、もうないわね」 私はそんな考えから自分の心を外....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
ようなものが車内にもさしこんでくるようになった。どうせ、こんなばかばかしい寒さは
此処いらだけと我慢していたが、みんな、その日ざしを慕うように、向うがわの座席に変....
「二十三番地」より 著者:宮本百合子
きになって、あんまりだらしがないとか、見っともないとか云っていやがった。 一体
此処いら界隈が学者町で、相当に落つきのある生活をして居る人が多く、したがって、そ....
「農村」より 著者:宮本百合子
悪い冬枯と戦うにも只、昔からの伝習だの、自分の小さい経験などを頼む事ほかしない。
此処いらの純農民は、随分と貧しい生活をして居る。 養蚕《ようさん》は比較的一般....
「冬の海」より 著者:宮本百合子
。 この海からの反射光線が、いつでも私の頭――眼玉の奥をいたくさせるのである。
此処いら――江の島、七里ヶ浜あたりの波は随分と低い。 それに、すぐ目の前に江の....
「盗難」より 著者:宮本百合子
く泥のあとが付いて居るけれ共、それもぼんやりして何がどうだか分らないので、 「
此処いらを余程行ったり来たりした様ですなあ。 と、血が集まって、真赤になった顔....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
地ですよ。それ、あすこがコルシカ島。先日話したナポレオンのこと知ってるでしょう。
此処いらは海アルプス。この後《うしろ》の峰がアルプス連山。」 モルガンは細かく....
「入れ札」より 著者:菊池寛
かった赤城が、山と山の間に、ほのかに浮び出ていた。 「赤城山も見収めだな。おい、
此処いらで一服しようか」 そう云いながら、忠次は足下に大きい切り株を見付けて、....