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此処に
「此処に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此処にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
たはこの麻利耶観音の台座の銘《めい》をお読みにならなかったでしょう。御覧なさい。
此処に刻んである横文字を。――DESINE FATA DEUM LECTI SP....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は小児に近いものである。英雄らしい身振を喜んだり、所謂光栄を好んだりするのは今更
此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、動物的勇気を重んじたりするのも小学校....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、気毒煙火燃も、薩陀彼処にましますぞや。しばらくして。…… のんきな馬士めが、
此処に人のあるを見て、はじめて、のっそり馬の鼻頭に顕れた、真正面から前後三頭一列....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
と竝んで、海に向って坐って居た。仲間と云おうか親分と云おうか、兎に角私が一週間前
此処に来てからの知合いである。彼の名はヤコフ・イリイッチと云って、身体の出来が人....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
なんか。」 「はい、二俣村でございます。」 「あああの、越中の蛎波へ通う街道で、
此処に来る道の岐れる、目まぐるしいほど馬の通る、彼処だね。」 「さようでございま....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
見返しは金泥銀泥で、本経の図解を描く。……清麗巧緻にしてかつ神秘である。 いま
此処に来てこの経を視るに、毛越寺の彼はあたかも砂金を捧ぐるが如く、これは月光を仰....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の景色もやや違ってきていた。木立はまだ他に二つ三つと飛び飛びにあった。蘆間の其処
此処に真黒な土が珍らしく小高く盛り上げられて、青い麦の芽や、菜の葉などが、生々と....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
やがて、満々と水を湛える。 汐が入ると、さて、さすがに濡れずには越せないから、
此処にも一つ、――以前の橋とは間十|間とは隔たらぬに、また橋を渡してある。これは....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
えば、「眼鏡は眼鏡、茶碗は茶碗」とこの一言で充分でしょう。以上が私の宗教観です。
此処に一首あります。 我が心遊ぶはいづこカイラーサ 山また山の奥にありけ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
の割引を施した後にも、何か著しい特色が残っているか? 彼の価値を問う為には、まず
此処に心を留むべきである。 何か著しい特色? ――世間は必ずわたしと共に、幾多....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
んな夢を見るでしょうな。」 「やっぱり、貴下のお姿を見ますわ。」 「ええ、」 「
此処にこうやっておりますような。ほほほほ。」 と言い知らずあでやかなものである....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
死骸でいっぱいであった、などとも言われ、城門の下のところに土饅頭の小高いのが彼処
此処にみられた。 松篁の行った時にはまだ骨がところどころに残っていたそうであっ....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
た、こういう別な世界は、果たしてあるのであろうか、無いようでありながら、たしかに
此処に現われている、といったような微妙な幻想にさえ引きこまれて、息もつけずにその....
「中支遊記」より 著者:上村松園
華門では、当時此処の戦闘に参加した将校さんの説明を聞いた。四辺は既に片づけられ、
此処に散華した勇士達の粗末な墓標が、まだ仮りの姿で立っているだけであるが、季節も....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
して其処から帰える。一体この人の平素住んでいるのは有名なブッシュというところで、
此処には美術学校もあるし、この土地はこの人に依って現われたので、ハークマのブッシ....