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「此処ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

此処らの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、朝夕は急に寒くなった。殊に権田原《ごんだわら》の広い野原を近所に控えている此処らは、木枯らしと云いそうな西北の風が身にしみた。 「寒いのは時候で仕方もねえ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
証拠であった。 「なにしろ、早く堤下へ行ってみようぜ」 亭主の教えてくれたのは此処らであろうと見当をつけて、二人は隅田川に沿うた堤下に降りると、岸と杭とのあい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うな物じゃあござんすまいが、相当によくすると皆さんが云っておいでですよ。あれでも此処らじゃあなかなかの評判です」 「そうだろうな。錦祥女をしている小三津というの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の汽車に乗り換えたのは、午後四時をすこし過ぎた頃であった。大場駅附近を過ぎると、此処らももう院線の工事に着手しているらしく、路ばたの空地に投げ出された鉄材や木材....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ようだから、 早「何だこれははてな」 と考えて居りますと、片方では片手で探り、此処ら辺が喉笛と思う処を探り当てゝ、懐から取出したぎらつく刄物を、逆手に取って、....
春昼」より 著者:泉鏡花
ら、つい其処だし、彼処の内の人だったら、ちょいと心づけて行こうと思ってさ。何ね、此処らじゃ、蛇なんか何でもないのかも知れないけれど、」 「はあ、青大将かね。」 ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
つゝ新築家屋の事務所へ戻ると、人声が四壁に反響して騒然、喧然、雑然、囂然、其処ら此処らで見舞物を開いて蜜柑を頬張るもの、煎餅を噛るもの、海苔巻を手に持つもの、各....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
雨があっても欠かさないでござりやしてな、ひやア」 武士「宜い女だね」 婆「ひやア此処らにはまア沢山はねえ女でござりやすよ、ひやア」 武士「何処の何者の娘かな」 ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
えます、兄さん早く引張って往って、貴方のお手柄になすって下さい……サお瀧、お前も此処らが死処だ、成程考えるとなア茂之さんがお前を殺そうと思って裏口から這入って来....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ですが、此の火事に焼け出され、彼方此方迯※って、包を背負たまゝ泊る所もねえので、此処らをうろ/\して居る所だが、貴女の死のうとするのを見掛け、どうも此の儘見捨て....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
狂いそうになっておりますものが、せめて肖たお方でもと思うのに、この頃はこうやって此処らには東京からおいでなすったらしいのも見えません処へ、何年ぶりか、幾月越か、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
峭り立って、気の弱い旅人を脅かすように見えるであろう。 けれども、地図によれば此処らは未だ越中の領分で、足腰の疼痛に泣く旅人も無し、山霧に酔う女もあるまいが、....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
政「お下げになった大切な御刀を脊負ってながら本当に何てえことだろう」 小「何でも此処らに違いないんです」 と云いながら提灯を振廻し、うろ/\方々を見廻す中に、....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
」 「や、まだ、東海岸に五箇所西海岸には三、四箇所ぐらいはありますですが、ええ、此処らでは多蘭泊ぐらいですな。野田の一つ隣りに登富津というのがありますですが。」....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の色と共に目もさむるばかり鮮かであった。 表日本の空を支配する太平洋の勢力は、此処らあたりを境として、最早日本海の勢力範囲に侵入することは、絶対に不可能なので....