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此処彼処
「此処彼処〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此処彼処の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無惨」より 著者:黒岩涙香
或日妾は一日の暇を得たれば久し振に金起の顔を見んと横浜より呼び寄せて共に手を引き
此処彼処見物するうち浅草観音に入りたるに思いも掛けず見世物小屋の辺りにて後より「....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
厚い茵を敷いて居る。菊はまだ褪わずして狂うものは狂いそめ、小菊、紺菊の類は、園の
此処彼処にさま/″\な色を見せ、紅白の茶山花は枝上地上に咲きこぼれて居る。ドウダ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
それら、花にも台にも、丸柱は言うまでもない。狐格子、唐戸、桁、梁、※すものの
此処彼処、巡拝の札の貼りつけてないのは殆どない。 彫金というのがある、魚政とい....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
蹟もなくして果てようとしたを向島なる百花園の主人、故事をたずね、旧記をあさって、
此処彼処からあつめきた山吹幾株、園のよき地を択りに択って、移し植えたるが一両年こ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
その場合の科学方法(ワイゼ)であって、実験とはそういう科学方法の床の上に、任意の
此処彼処に、浮動して横たわる処の、部分的・断片的な・一認識手段に過ぎないのである....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
実物大の小屋の数層を数多見せ、サンタクロースが壮厳にある屋根から降りつつ見る下の
此処彼処の家に、小児が贈物を待ちつつ眠るところ、何れも豪華に独逸の精力的な重大性....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
るかも知れない。そこに存在するものとして、又は何かの長さを持ったものとして、又は
此処彼処として、又は内に外に上に下にとして判断されることが空間と呼ばれていること....
「夏の町」より 著者:永井荷風
、「過ぎし日の事|思出《おもいい》でて泣く、」といったりあるいは末節の、「われは
此処彼処《ここかしこ》にさまよう落葉《おちば》」といったのはやはり詩人の Jen....
「武士道の山」より 著者:新渡戸稲造
武士道は斜面緩かなる山なり。されど、
此処彼処《ここかしこ》に往々急峻なる地隙、または峻坂なきにしも非《あ》らず。 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
した。 本位田又八は、俯向いてばかりいた。近頃彼は、西瓜の荷を担って、江戸城の
此処彼処にたくさん働いている石置場の人足や、大工小屋の工匠や、外廓の足場にいる左....