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此土
「此土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此土の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
也 一、一族憤激シ、絶頂ニ在ルモ、倶ニ抱キ朗顔ヲ見交ハシテ、此ノ世ヲ去ル 魂魄
此土ニ止リテ七生報国ヲ誓フモノナリ 一、時期急迫ノ為メ、親族知己友人諸兄姉ニ訣別....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
字は歳の字に通じ、二者は全く同一字でござる」 そこで純八は復訊いた。 「拙者は
此土地の郷士でござって祖父の代までは家も栄え、地方の分限者でござりましたが、父の....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
云った。 「だが是は不可能だよ。俺は江戸の町奉行、江戸のことなら何うともなるが、
此土地では何うも手も足も出せない」 「大岡越前守忠相と宣られ、ご機嫌をお伺いにご....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ておりました。針で自分の肉体を刺して、その血で丹念に一字一字の法華経を写して「我
此土《がしど》安穏、天人《てんじん》常充満」というところに至った時に、車井戸がキ....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
、妄執次第に晴れ渡り、今は此世に思い置く事何一つとしてござりませねば今夜を限りに
此土地から立ち去るつもりでござります」 斯う云うと小侍は恭しく畳へ頭をすり付け....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
々と迫った。 台下の農家、取着きのに先ず入ったが、夜に入っては旅の人に取合わぬ
此土地の淀と云い張って、閾から内へは入れなかった。事情を訴えても聴くので無かった....
「狂女と犬」より 著者:小酒井不木
か他国へでも行った方がよかろうとそれともなく勧めて見ましたが、お蝶さんは、頑固に
此土地に居たいと主張するのでした。この辺が、発狂した証拠かとも思われました。兎に....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
たら、急にお寒くなりましょう。来年のお正月も又雪でしょうかねえ。」 旧暦に依る
此土地では、正月は恰も大雪の最中である。年々の事とは云いながら、三尺、四尺、五尺....
「仙人掌の花」より 著者:山本禾太郎
んでは居りません。読めば読むだけ、苦痛を増すばかりで、少しも慰めとはなりません。
此土地も次第に都会の人が入り込んで来ます。私は幾度湖水の畔に立って死を考えたこと....