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此岸
「此岸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此岸の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ば好《よ》いのだから異議なくサア試そうと答えたので、獅狂人のごとく彼岸へ飛んだり
此岸《しがん》へ飛んだり何度飛んでも亀が先にいるのでついに飛び死《じに》に死んで....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
高尾よりもまだ早かった。嵐山其ものと桂川とは旧に仍って美しいものであったが、川の
此岸には風流に屋根は萩で葺いてあったが自働電話所が出来たり、電車が通い、汽車が通....
「青年」より 著者:森鴎外
、基督教がその方面を極力開拓した。彼岸に立脚して、馬鹿に神々しくなってしまって、
此岸がお留守になった。樵夫の家に飼ってある青い鳥は顧みられなくなって、余所に青い....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
童、一は鼈《すっぽん》、一は水蛇、江戸近処では中川に多くおり、水面下一尺ばかりを
此岸《しがん》より彼岸《ひがん》へ往く疾《はや》さ箭《や》のごとし。聢《しか》と....
「沈黙の塔」より 著者:森鴎外
出た。発展というものを認めないショオペンハウエルの彼岸哲学が超人を説くニイチェの
此岸哲学をも生んだのである。 学者というものも、あの若い時に廃人同様になって、....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
清戦争の錦絵は見ていても本物を見るのはその時が初めてであった。 一隊は広瀬川の
此岸におり、敵らしい一隊は広瀬川の対岸の山かげあたりにいる。戦闘が近づくと当方隊....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
く) 聖「筏を漕ぐ、浪の音が聞える……あれは聖衆の乗らるる迎えの舟だ。五濁深重の
此岸を捨てて常楽我浄の彼岸へ渡りの舟。櫂を操る十六大士のお姿も、追々はっきり見え....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
橋が架ってあったろうと思う。といったところで立派な鉄橋ではない。ただ一筋の
が
此岸の山の岩から向う岸の山の岩へ括り付けてあって其橋へブランコになって人が向うへ....