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此程
「此程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
此程の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
事件は、本職を始め警視庁を愚弄することの甚だしきものにして、爾来極力探索の結果、
此程漸く犯人の目星を掴むことを得たるを以て、遠からず事件解決の搬びに至るべし。な....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
草稿は拝受いたし度、御許容可被下候也。 二月六日安芳 福沢先生 拙、
此程より所労平臥中、筆を採るに懶く、乱筆|蒙御海容度候。 榎本武揚氏の....
「死者の書」より 著者:折口信夫
べてのいざこざをおし鎮める程に、人の心を浮き立たした。本朝出来の像としてはまず、
此程物凄い天部の姿を拝んだことは、はじめてだ、と言うものもあった。神代の荒神たち....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
。そうした後で、物蔭から、あれがあの男の酢豆腐さと嗤う。わらわれても為方がない。
此程しゃべって見れば、無恥厚顔至極、世間を知らぬ人間だった、という自覚が起らずに....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
死仕るか二つの道を出で候ふまじと思定め候、早早御出陣然るべしと申すにより、久政も
此程遠藤が申すことを一度も用ひずして宜敷事無りしかば、此度|許りは喜右衛門|尉が....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を命ずるが如何。被告は不当の行状はいたしませぬと答えたり。 裁判長は合議の上、
此程度に於て、被告を立会わしめ審問すると宣したり」 こう云う次第でその日は支倉....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
返し申上候。 十八日 森きみ子様美静 池水鳥 山松 右弐題御出詠|可被成候。
此程の歌点検致し候。かしく。 十二月四日 森きみ子さま御返事美静 福羽氏は....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
日こそ吾が恋ひ止まめ」(巻十二・三〇〇四)をはじめ同じ結句の歌は数首ある。そして
此程度の歌ならば、他の巻には幾らもあると思うが、当時既に古歌として取扱った歌とし....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
を生埋にしたので、お前さんだから蘇生った後も自害をしようとしなすったので殊に私が
此程までに様々云っても事実を明さないで、是は勿論死を極めておいでなさるから云わな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
屓眼に見ても――いや此では田舎者扱いさるゝが当然だと、苦笑いして帰って来る始末。
此程村の巡査が遊びに来た。日清戦争の当時、出征軍人が羨ましくて、十五歳を満二十歳....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん、此うへは我をも伴ひ給はれとありければ、源蔵聞て、さては静御前にてましますか、
此程のおんものおもひ、おしはかり御いたはし、此上は御心安かれ、是より御供仕らんと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
眉をひそめ、道をさへいそぎ玉はば行きつきもし玉はんなれど見れば遠国の人々にてぞ、
此程は此あたりに鬼出でて人をとり食ふ、初めは夜ばかりなりしが、近き頃になりては、....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
一寸申上候東京表へ転住の義、其後《そのご》色々の事情にて捗《はか》どりかね候所、
此程に至り諸事好都合に埓《らち》あき、いよいよ近日中に断行の運びに至り候はずにつ....
「P丘の殺人事件」より 著者:松本泰
姿を隠して了った。行先は多分生れ故郷の英国であろうと女はかんがえていたので、つい
此程倫敦へやってきて、毎日根気よく男の行方を探《たず》ねているうちに、ようやく男....
「傾く日」より 著者:宮本百合子
たのであった。 あの時、自分は、若しそうしなければならないのならば、我慢する。
此程のことを、無益に過させたり、其裡から、何か自分を養てるものを見出さないような....