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「此花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

此花の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
|一度静岡の地を踏んで、それを知らない者のない、浅間の森の咲耶姫に対した、草深の此花や、実にこそ、と頷かるる。河野一族随一の艶。その一門の富貴栄華は、一にこの夫....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
ろう、虎白草だ。採れた薬を五滴飲ませると、間違い無しに発狂する。……扨、ところで此花は何うだ? 知っているかな、え、若いの?」 黄色い花を指差した。 香具師....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ぱっと開く音も聴くに面白い。独物思うそゞろあるきの黄昏に、唯一つ黙って咲いて居る此花と、はからず眼を見合わす時、誰か心跳らずに居られようぞ。月見草も亦心浅からぬ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
悪性を取って建立された半菩薩半鬼王だからだろう。 宮武《みやたけ》氏が出した『此花』四枝に、紙張子の馬を腰付けて踊り走る図三を出し「ほにほろ考」を書かれた。こ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
速有こと常のことなり」とあり、考にも、「此幸は十月なれど遠江はよに暖かにて十月に此花にほふとしも多かり」とあるとおりであろう。私は、昭和十年十一月すえに伊香保温....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
賞讃して書き「又俗ニ伝フ、昔女子アリ人ヲ懐テ至ラズ、涕涙《ているい》地ニ洒ギ遂ニ此花ヲ生ズ、故ニ色嬌トシテ女ノ面ノ如シ、名ヅケテ断腸花ト為ス」とも書いてある。こ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
かしてあるよ。」 重太郎は手に取って、紅い花をつくづく眺めた。彼は自分の魂魄が此花に宿って、お葉の温かき情を受けているようにも思った。 「どうだい、よく咲いた....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
の鮑《あわび》取り、豊信《とよのぶ》の入浴美女など、曾《かつ》てわたくしが雑誌|此花《このはな》の挿絵《さしえ》で見覚えているものもあった。北斎の三冊本、福徳和....