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武士気質
「武士気質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
武士気質の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にも云わなかったのだそうです」 御賄組などはその職務の性質上、どちらかと云えば
武士気質《さむらいかたぎ》の薄い人々が多いのであるが、お勝の父の黒沼伝兵衛は生ま....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
聟《むこ》である荒木又右衛門が助太刀に出ているというから又五郎は危い。寛永の頃の
武士気質《さむらいかたぎ》は未だ未だ大したものであった。荒木と同家中であって又五....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
、もと/\武芸が好きで、慾を離れて弟子を取立てゝいたのですから、人間は律儀一方で
武士気質の強い人、御新造はおみのさんと云って夫婦のあいだに姉弟の子どもがある。姉....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
、正成は寧ろ軽賞である。それでも黙々として忠勤を励む其の誠実さは、勘定高い当時の
武士気質の中にあって、燦然として光っている。 最近公刊されたものであるが『密宝....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
、わしより、分別があるのかのう。あはははは」 又五郎が、半兵衛に 「叔父は、古
武士気質と申そうか、一徹者で、何か荒木の計にかかるように思えてならん。郡山の藩中....
「孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
ているのです。 ――しあわせなことに汽車がブルガリア領に入れば商人は伊太利人の
武士気質に禍いされなくて思うままに我意を通すことができるのです。僕は着ていた猫の....
「芭蕉について」より 著者:宮本百合子
にかく若殿の近侍であった宗房がその主人の死とともに出奔し得たところに、その時代の
武士気質が崩れかけて、もう武家時代の気風と異って来ている空気が感じられて面白い。....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
った。絶えず彼の内部に存在したヨーロッパ風の自由主義に立つ教養と家風にしみている
武士気質の躾との間の衝突、そういう精神の桎梏を何かの動機で一気にかなぐりすてて、....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
ままピタリと坐り両手をついて平伏した。見る人のないことは承知であるが、そこは昔の
武士気質、まして紋太郎は礼儀正しい。蔭ながら土下座をしたのであった。 鷹狩りの....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
の理《ことわり》を弁《わきま》えぬ齢でもあるまい」
小太郎は、父の慈愛と、父の
武士気質と、父の意気とに、顫えていた。
「水盃が厭なら、血を啜《すす》るか」
....
「「死」の問題に対して」より 著者:新渡戸稲造
どには、よく日本の英雄豪傑に似た人格が沢山ある。その死に臨んだ時なども、いわゆる
武士気質を現わしているが、しかしその中に死を一のドラマ的に感じておりはせぬかと思....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れと。――当時もなお、筑紫諸豪のあいだには、いまは廃れたと見なされている鎌倉的な
武士気質がいぜん隆々と弓矢に存していたこともよく窺われよう。たしかにここの鳴動は....