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武辺
「武辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
武辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
、考えてみた。しかし、それが徒労であることはすぐ分かった。家中の若者が一座して、
武辺の話が出る時は、必ず島原一揆から例を引いた。ことに、慶長元和《けいちょうげん....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
いう」 ○「確かりした家は脊骨屋で」 侍「そう先走っては困る、其家へ行って拙者は
武辺修行の者でござる、斯かる山中に路に踏み迷い、且此の通り雨天になり、日は暮れ、....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
…」 「ハハ。まあ急かずと聞かれいと云うに……こう云えば最早お解かりじゃろうが、
武辺の嗜みというものは、ただ弓矢、太刀筋ばかりに限ったものではないけにのう……」....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
家は順慶流だの洞《ほら》ヶ|峠《とうげ》だのという言葉を今に遺している位で、余り
武辺の芳《かん》ばしい家ではない。其家で臆病者と云われたのは虚実は兎に角に、是も....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ると打ち込まれるぞ……これが十二の少年か? いや全く恐ろしい話だ。産まれながらの
武辺者。まずこうとでも云わずばなるまい……とは云え余りに野性が多い。いわゆる磨か....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
子を片手に、当時文界の老将軍――佐久良藩の碩儒で、むかし江戸のお留守居と聞けば、
武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の漆紋に、袴着....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
中から講師を選ばず、また主人の公卿がその任に当ることもなさずして、この名誉の職を
武辺者《ぶへんもの》に勤めさすということは、はなはだ不審なことだと、その日記に認....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
く、何となく奥ゆかしいので、自分は余念もなくその風に見とれていた。 自分の父は
武辺にも賢こくまた至ッて厳格な人で、夏冬ともに朝はお城の六ツの鐘がボーンと一ツ響....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
めて囁くようにしたが、 「ここ数夜、この界隈で、拙者試していたのでござる。勝れた
武辺者はあるまいかとな。今は天保、浮世は飢饉、そのためでもござろう、腕の出来るご....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。 「登場人物は締めて五人だ」彼は静かにやがていった。「二人は駕籠舁き、一人は
武辺者、そうして一人は若い女……」 「玻璃窓」平八の科学的探偵 「そうし....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
左様思わるるならんと申候。横田聞きも果てず、いかにも某は茶事の心得なし、一徹なる
武辺者なり、諸芸に堪能なるお手前の表芸が見たしと申すや否や、つと立ち上がり、脇差....
「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
左様思わるるならんと申候。相役聞きも果てず、いかにも某は茶事の心得なし、一徹なる
武辺者なり、諸芸に堪能なるお手前の表芸が見たしと申すや否や、つと立ち上がり、旅館....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
ぎり他言は御無用に願うと、依嘱れ畏々一ト夜を明したる事ありと、僕に話したが昔時の
武辺者に、似通った逸事の有る事を、何やらの随筆本で見たような気もする。 ◎これは....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いたいと思う二人が、知らぬ事とは申しながら、仙太郎が赤樫の半棒で打込みましたが、
武辺の心得ある侍は油断のないもので、片手に番傘を持ったなり、ヒラリと四五尺ばかり....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
、実験に基づかない概念ばかりが、玩ばれているような傾向が著しかった。それに沢山の
武辺話も世には伝わっていて、もう俳諧の集などから学ぶべきものはいくらも無い。これ....