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「武骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

武骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
》を顔に当てた器量好《きりょうよ》しの娘さんである。そればかりではない、弟も――武骨《ぶこつ》そうに見えた大学生もやはり涙をすすり上げている。と思うと老人もしっ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
豹一は微笑んだ。紀代子はむっとして、 「あんた女の子と歩く術も知れへんのやなあ。武骨者だわ」嘲笑的に言うと、豹一は再び赧くなった。女の子と歩くのに馴れている振り....
豚群」より 著者:黒島伝治
て、どこにあるもんか!」 彼等は、腹癒せに戸棚に下駄を投げつけたり、障子の桟を武骨な手でへし折ったりした。この秋から、初めて、十六で働きにやって来た、京吉とい....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
併し穴の中は真暗だ、余は之に手を入れようとしたが、女か子供の手なら格別、余の様な武骨な手は到底這入らぬ、殊に穴の周辺《ぐるり》が既に錆びてザラザラして居るから、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、師匠殺しという大事件が出来したんです。さっきからお話し申した通り、岩下左内は武骨一辺の人物、女房のお常は年が十二三も違う上に江戸向きに出来ている女、そこでお....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、ちょっと首級桶を戴いてホロリと一滴こぼしたそうで、これを聞いた武田の遺臣ども、武骨者だけに感激するのも早く、我も我もと安い月給で徳川家に随身したそうであるが、....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
に向って恭しく恋愛曲線を捧げ、以て微意を表したいと思うのである。君は、僕のような武骨一点張りの科学者が、恋愛などという文字を使用することにすら、滑稽を覚えるかも....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
箱の中の人形が、飛んだ爺の人形なんだからなあ」 こう云ったのは紫紐丹左衛門で、武骨な侍の姿をしていた。 「それより人形の持っている、あの書物を田沼が見た時、ど....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
熊太郎の秘蔵弟子で、まだ皆伝にはなっていなかったが、免許はとうに通り越していた。武骨かというに武骨ではなく、柔弱に見えるほどの優男。そうして風流才子であった。彼....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
とはなったが、なお追分は聞こえていた。節の巧緻声の抑揚、音楽としての美妙な点は、武骨な造酒には解らなかった。しかしそれとは関係のない、しかしそれよりもっと大事な....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
った機会に、内大臣に話してしまう。併、結局玉鬘は、宮中に入る前に、鬚黒大将と言う武骨な貴族に奪われ、其妻となってしまうのである。此には、内大臣の計画がはたらきか....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いた。肩幅がひろく、からだの自由が利き、黒いかみの毛は短くちぢれていて、顔つきは武骨だが、嫌味はなく、道化たような、高慢なような風采をしていた。ヘラクレスのよう....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
様の鉄の取手があったのに加奈子は心をひかれた。模様の蔓と葉が中世紀特有のしつこく武骨な絡みかたをしていて血でもにじみ出そうで色は黒かった。その時は有り合せの硝子....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
言ひたりし。さもありぬべきことなり。 とある荒夷も、物のあわれを知らぬげに見ゆる武骨一遍の勇士のことを言いたるものなり。 これらはいずれも都人より関東武士を指....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
に入りて、平家西海に没落するや、多年田舎にのみ生い立って毫も都の手ぶりに慣れず、武骨一遍のみの彼義仲は、戦勝の武勇に心驕りて公家に対して傲慢なる挙動が多かったの....