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「歩き初め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩き初めの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ラ氏の笛」より 著者:松永延造
》りに愛を訴えた。男はそれを冷い理性で疑った。女は軈《やが》て男の周囲をめぐって歩き初めた。けれど、男は眼をさえ動かさず、下を向いて黙っていた。 最後に女は胸....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
四節に出ている「死のかげの谷」のこと。 (4)leading-strings――歩き初めの子供につかまらせて歩き慣らせる紐。 (5)ferule――学校で、懲罰....
寒の梅」より 著者:宮本百合子
なか興味があった。そして共感をそそる味いに溢れている。 ○ 午後、建物の内廊下を歩き初め。傷のところをぎゅっと抑えて歩く。それでも胃の方を引っぱるようで気分がわ....
贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
て、お堂の中を覗き込んで、廻郎を歩き廻って下へ降りて、今度はお堂の廻りをグルグル歩き初めた。さっきからついて来た二匹の犬は、馴れた場所だと見えて、大はしゃぎで、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
出来ませんがベッドから下りたり上ったりすっかり自分の力でやれます。きょうから少々歩き初めです。一日に三四度往復十間位のところを歩くようになりました。これで三四日....
或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
を鋭い眼で見つめながら、頭をこっくりこっくり動かして、私の寝てるまわりをぐるぐる歩き初めた。私は眼をつぶっても、その姿がはっきり見えた。息がつまってしまった。歯....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
底からかくのごとく自ら言った。彼は椅子《いす》から身を起こした、そして室のうちを歩き初めた。「もうそれにこだわるまい。決心は定まっているのだ!」と彼は言った。し....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
まで、彼はその後ろを見送った。それから気が狂ったようにリュクサンブールの園の中を歩き初めた。時とするとひとりで笑ったり声高に語ったりしがちだった。まったく夢を見....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
、それのなくならぬ間に、手早くやれ。 仙太 では、加多さん……。(既に先に立って歩き初めている井上の後に従って、花道へ。立止って懐から位牌を出してチョッと見てい....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
不味そうに取揃えられた昼食を為し終えると、彼は両手を胸に組んで考えながら室内を歩き初める。その中に四|時が鳴る。五|時が鳴る、なお彼は考えながら歩いている。す....