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歩き振り
「歩き振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩き振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
危い橋を渡る想いにひやっとしたが、それだけにまるで凶器の世界にはいった様な気持で
歩き振りも違って来た。 気の変りやすい北田は売屋《ばいや》をやることもあった。....
「路上」より 著者:梶井基次郎
道へつながって行くところなのであった。小心翼々と言ったようなその瞬間までの自分の
歩き振りが非道《ひど》く滑稽に思えた。そして自分は三度に二度というふうにその道を....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
おとなに見えた。その隣に姉が歩いている。彼は姉が以前より少し痩せて、いくらかでも
歩き振りがよくなったと思った。 「さあ。あんた。先へ歩いて……」 姉が突然後ろ....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
の有力なる遠因となれり。盛邦、近年神道を興すとて瑣末な柏手《かしわで》の打ち様や
歩き振りを神職養成と称して教えこみ、実は所得税を多く取らんために神職を増加し、そ....
「咲いてゆく花」より 著者:素木しづ
てる瞳などを思出した。そしてまた兄の友だちの楽しい愉快な話しぶりや、元気な力強い
歩き振りを考えた。そして、男性に対する絶望的な憧憬と、強い羨望の心が少女を苦しま....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
って、襷《たすき》を取出すと、片手と口とで、素早く、袖を絞り上げた。そして小者の
歩き振りを見定めて、編笠を脱いだ。そして、笠で、襷をかくしながら、草の上を音も無....
「年賀状」より 著者:寺田寅彦
賀はがきの束を僕に貸してよこせば、それを詳しく調べた上で、その人の年恰好、顔形、
歩き振り、衣服、食物の好みなどを当てて見せる」という。しかしそれくらいの事が自慢....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
環。 すぐ下手から第二第三の女と非番の老近侍が出て来る。 女達二人は極く注意した
歩き振りでどんな時でも少し体をうかす様につまさきで歩く。 老近侍は大股にしかし気....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
中庭まで来ると、彼は、吊上げ橋のあるのを予期しているように、知らず識らずのうちに
歩き振りを変えた。ところが、吊上げ橋がなくて、からりとしている街路に馬車が待って....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
査の顔を見ると、巡査が真直ぐに彼の顔に鋭い視線を向けて、厭に横柄なのそり/\した
歩き振りでやって来てるので、彼は何ということなしに身内の汗の冷めたくなるのを感じ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
すこぶる大きく、両脚は曲り歩くたびに脊を曲げて妙に腰を振る形態はちょうどゴリラの
歩き振りを思わせる。とにかく獰猛な顔、頑丈な体格、相当蛮力を有った男に違いない。....
「放浪」より 著者:織田作之助
危い橋を渡る想いに冷やっとしたが、それだけにまるで凶器の世界にはいった様な気持で
歩き振りも違って来た。 気の変り易い北田は売屋をやることもあった。天満京阪裏の....