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歩む
「歩む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》の燃えたようなその光の中を、やせ細っていっそう背たけの伸びて見える葉子は、影が
歩むように音もなく静かに歩みながら、そっと倉地の部屋の襖《ふすま》を開いて中には....
「二つの道」より 著者:有島武郎
に慟哭《どうこく》する迷いの深みに落ちていくのである。
四
二つの道は人の
歩むに任せてある。右を行くも左を行くもともに人の心のままである。ままであるならば....
「星座」より 著者:有島武郎
重なっていた。常住|湿《しめ》り気の乾ききらないような黒土と混って、大小の丸石が
歩む人の足を妨げるようにおびただしく転《ころ》がっていた。その高低を体の中心を取....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
て、霄《そら》はいよいよ曇りぬ。湿りたる空気は重く沈みて、柳の葉末も動かざりき。
歩むにつれて、足下《あしもと》の叢《くさむら》より池に跋《は》ね込む蛙《かわず》....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
い情なさ、何という卑しき心であろう。 前の牛もわが引く牛も今は落ちついて静かに
歩む。二つ目より西には水も無いのである。手に足に気くばりが無くなって、考えは先か....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
がない。これから二台の機関車で前後から持ち上げられるのだ。坂はよほど急だと見えて
歩むより遅い。この時分になって小林がまた眠りだした。雪がだんだんと増して汽車は山....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
を蔽えば、乞食僧の顔は隠れ去るなり。人ありて遠くより渠を望む時は、鼻が杖を突きて
歩むが如し。 乞食僧は一条の杖を手にして、しばらくもこれを放つことなし。 杖....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ら肩でさらりと分けて、雪に紛う鷺が一羽、人を払う言伝がありそうに、すらりと立って
歩む出端を、ああ、ああ、ああ、こんな日に限って、ふと仰がるる、那須嶽連山の嶺に、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
興味も起りません。こちらの世界へ引越して了へば、めいめい向きが異って、ただ自分の
歩むべき途を一|心不乱に
歩む丈、従って親子も、兄弟も、夫婦も、こちらではめったに....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
や女中たちは女の手をとってなぐさめました。 もう夜中でありました。マルコはもう
歩む力もなくなっていく度となくころびました、けれどもマルコは「おかあさんにあえる....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、古人の作中、得意の詩や歌を誦するともなく謡うともなくうめきながら欄干を撫でつつ
歩むともなく彳むともなく立戻おり居るに、往来の人はいぶかしみ、しばしば見かえりて....
「妖怪学」より 著者:井上円了
る法は、「西東北や南のませぬきて中に立ちたる駒ぞはなるる」この歌を三度よむべし。
歩むこと奇妙なり。 (一九)人食い犬あるいは吠えかかる犬を退くる法 その....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。黒髪|颯と夜風に乱して白き衣服を着けたるが、月明りにて画けるごとく、南をさして
歩むがごとし。 得三は※呀と驚き、「あれはたしかに下枝の姿だ……いや、いや、三....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
らす。この景色はなんびともただ座視できず、また疲れた脚に鞭うつようにして町なかを
歩むのである。) 暑気、夜に入るもなお減ぜず。聞くところによるに、スイスにては....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
る。とくにこの改定によってアメリカの核兵器持ちこみを許し日本が自ら核武装への道を
歩むことは明らかであり、その結果中日関係は決定的事態におちいり、現在の日中関係の....