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歩卒
「歩卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球図」より 著者:太宰治
ではこばれて来た。長い道中のために両脚が萎《な》えてかたわになっていたのである。
歩卒ふたり左右からさしはさみ助けて、榻につかせた。 シロオテのさかやきは伸びて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
巻四、頁六七六)に帝が露人と講和のため遣わした一行がカルカ辺で兎狩した事を記して
歩卒三、四百人弓矢を帯びて三重に兎どもを取り巻き正使副使と若干の大官のみ囲中に馬....
「阿部一族」より 著者:森鴎外
日和《ひより》で、霊屋のそばは桜の盛りである。向陽院の周囲には幕を引き廻わして、
歩卒が警護している。当主がみずから臨場して、まず先代の位牌に焼香し、ついで殉死者....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
指して落ちたのであるが、前田利家の府中城下にさしかかった時は、従う者僅かに八騎、
歩卒三四十人に過ぎない。利家招じ入れると勝家、年来の誼を感謝して落涙に及んだ。勝....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
拠は仕方がないとしても、然らざる所に放火して財宝を掠め歩いたのは、全く武士以下の
歩卒の所業であった。即ち足軽の跋扈である。 『長興記』をして、「本朝五百年来此の....
「李陵」より 著者:中島敦
一 漢《かん》の武帝《ぶてい》の天漢《てんかん》二年秋九月、騎都尉《きとい》・李陵《りりょう》は
歩卒五千を率い、辺塞遮虜※《へんさいしゃりょしょう》を発して北へ向かった。阿爾泰....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い斬っているのだから、弁慶となって、こんなにまで斬らなくともよかろうに……関守の
歩卒を斬って斬りまくり、あわや富樫に迫ろうとして、踏段へ足をかけて大見得《おおみ....
「三国志」より 著者:吉川英治
見合せて云い合った。自分らの部下の中にいる張飛という一卒だからである。他の大勢の
歩卒は、騎馬に追いつけず皆、途中で遅れてしまったのに、張卒だけが、たとえひと足遅....
「三国志」より 著者:吉川英治
なかった。 ――がそのまま彼は外へ躍りだした。 「典韋だ! 悪来だ!」 敵の
歩卒は、逃げだした。 その一人の腰刀を奪い、典韋は、滅茶苦茶に斬りこんだ。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
を擁し、玄徳と共に、扈従の列に加わった。 御猟の供は十万余騎と称えられた。騎馬
歩卒などの大列は、蜿蜒、宮門から洛内をつらぬき、群星地を流れ、彩雲陽をめぐって、....
「三国志」より 著者:吉川英治
停りあれ」と、呼ばわる声がした。 何者かと眸をこらしていると、やがて百人ばかり
歩卒をしたがえ、まっ先に立ってくる一名の大将があった。 打ち眺めれば、その人、....
「三国志」より 著者:吉川英治
量は、およそどのくらいあるのか」と、たずねた。 蔡瑁は、答えて、 「騎兵八万、
歩卒二十万、水軍十万。また兵船は七千余艘もあり、金銀兵糧の大半は、江陵城に蓄え、....
「三国志」より 著者:吉川英治
衣服)を用意せよ。怠る者は首を斬らん」 何か分らなかったが、厳令なので隊将から
歩卒に至るまで、一衣の布を持って、 「いったいどうするのだ、これは?」と怪しみな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
には堅く三陣を配しておる」 「浜べのいたる所や磯松の間には、チラチラと敵の騎馬や
歩卒が見えますが」 「いや、あれはみな遊動隊にすぎぬ。兵法でいう“紛れ”と申す敵....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
なる。 それでも、馬上の部将格の者には、行軍のあいだに、そんな余裕もあったが、
歩卒の心臓は、口もきけなかった。 自棄に、竹筒の水を飲み、それがなくなると、泥....