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歩幅
「歩幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
歩幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あげると、それを、法水は皮肉に嗤い返して、
「どうも頼りないね。最初犯人が人形の
歩幅どおりに歩いて、その上を後で人形に踏ませる。そうしたら、自分の足跡を消してし....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
と阿賀妻は云った。
大野順平はにたりと笑っただけであった。
そして、彼らは、
歩幅と綱によって測った地相を書きこんで行った。出来あがった見取図には主君の館《や....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
、影はくっきりと濃く、かたい道路の上にある。 ひろ子は、女学生靴をはいた自分の
歩幅のぎりぎりで歩いた。 「奥さん、その荷車のうしろへつらまって歩く方がいいです....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
饒舌が少ないようであるが、ひとり旅に出た子供のあとを追い駆ける男が、途中で子供の
歩幅とおとなのそれとの比較をして、その目の子勘定の結果から自分の行き過ぎに気がつ....
「金属人間」より 著者:海野十三
びついて、その場にねじ伏《ふ》せる覚悟をしている田口巡査だった。 それから少し
歩幅《ほはば》をおいて、長戸検事を先に、残り係官一行が五、六名つきしたがっている....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
創作方法は、日本の民主革命の広い凹凸の多い戦線にとって、それぞれの階級の進みゆく
歩幅につれて新しい文学を生み出してゆくよすがであろう。桑原武夫が、民主主義文学で....
「概念と心其もの」より 著者:宮本百合子
生活内容をあらゆる方面に伸展させて行こうとする願望と一緒に、同じ心の中から、この
歩幅を縮めさせ、左顧右眄《さこうべん》させて、終《つい》に或る処まで、見越をつけ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
しまだなら、その金員を徴集すべく、こうしてはるばると、そして急がずあわてず、同じ
歩幅をつづけて旅してくるのである。掛けているほうもまた、切符の有無にかかわらず、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
き人間でした。彼は自身を箇人的に完成したものとして知りすぎていたのですね。歴史の
歩幅は大きく一箇人の完成は現代において破れ得るものであり、破りかたに永い未来への....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ったところ、そのずーっと先まで火の由。いろいろの情報を綜合してこちらは丁度巨人の
歩幅の間に入った小人のような位置だったと分りました。うしろと斜前、横、爆弾でした....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、と思ったが、しらべるのが面倒くさいから、一歩と三歩の小さい部屋。部屋の大きさを
歩幅ではかるというのもアンマリ見かけないことだと思ったが、なんしろ教祖の書斎であ....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
の群落をなでて、水ぎわをはるかに離れた身体には汗が感じられる。しかしゴールに近い
歩幅《ストライド》には少しの渋滞もなかった。 旅は大平街道で終わった。故障続出....
「城」より 著者:カフカフランツ
のずっとうしろからおかみも現われ、彼女も腕を拡げて走ってくるのだが、彼女の歩みは
歩幅が狭く、いかにも気取っているようだった。彼女は遅れてしまうだろう、亭主がその....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
養分吸収を容易ならしめたるのみならず、仏教を以て、民族の偉大なる成長発展に正しき
歩幅を与えて来たのであります。そこに日本民族の創造した日本仏教があるのであります....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
ここの草のそばの柔らかい土に、先の光った小さい靴跡があるが、これは靴も小さいし、
歩幅も短いから、背の低い男で、後から来た連中じゃあるまい。しかしプラットらしい足....