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「歩行者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩行者の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
いた。その花園の間を縫うて作られた道が運動の時の歩行にあてられているのだが、その歩行者の姿を監房の中からつかまえようとすると、廊下のガラス戸が日光に光ってよくは....
明暗」より 著者:夏目漱石
思い耽《ふけ》ったのである。 彼はこの宵《よい》の自分を顧りみて、ほとんど夢中歩行者《ソムナンビュリスト》のような気がした。彼の行為は、目的《あて》もなく家中....
白妖」より 著者:大阪圭吉
た。 「いずれにしても」紳士が事務員へ云った。「大変なんだ。実は、あのクーペが、歩行者を一人|轢逃げしたんだ」 「轢逃げ?」事務員が叫んだ。「で、怪我人は?」 ....
播州平野」より 著者:宮本百合子
く道はみんな暗かった。ひどい降りになった雨と、びしゃびしゃ通る素性の知れない夜の歩行者とに向って、人家の雨戸は用心ぶかくとざされていた。すきま洩れる明りばかりが....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、意味が全体として感じらるべく、第一義感的なものを強調する。例えば能にあっては、歩行者が写実的な歩調をしないで、歩行それ自身の印象と気分をあたえるべき、或る芸術....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
「室戸博士は、そうお考えですか。それはちとお考えすぎではないでしょうか。十二人の歩行者が、揃いも揃って神経衰弱になるとは思われませんが……」 「ほほう。君は狐つ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ッと舌打をした。相手の大きな舌打が自分に聞えると、お互にがっかりしてすれちがう。歩行者は、こうして人に行き会うたびに、心を疲らせた。まことに、ふきだしたくなるよ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
そして第一に屋台の様子がその店の個性を出して思い思いの意匠を凝らしているところは歩行者によき慰めを与えるのである。そして香具師と和本屋と古道具屋と狐まんじゅう、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
だって何もぼんやり立ってるんじゃなくて、白塗りの棍棒を振り廻しながら盛んに無辜の歩行者を白眼みつけたり、その余暇に、前を走る自動車にとても忙しそうにやたらに挨拶....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
果たすに相違ない。これは何故であろうか。橋の袂は交通線上の一つの特異点であって、歩行者の心のテンポにある加速度を与えるために自然に予定の行為への衝動を受けるのか....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
車 桐生市には自転車が多い。通りがせまいから、それが一そう目だつ。ある時間には歩行者よりも自転車の通行人が多いような感じである。この市における人口と自転車の比....
発明小僧」より 著者:海野十三
乃ちその際に、運転手の油をウンと絞るなり。 随ってその反覆使用は、運転手をして歩行者に泥をハネかすことを絶対に行わざらしむるに至るものなり。 (ペンキ球一箇五....
魔都」より 著者:久生十蘭
破られ、いささか立腹の気味もあって、ツカツカと入口まで出て行くと、その不届きなる歩行者に向って、 「こらッ」 と、大喝を浴びせかけた。 警官氏の制止にかかわ....
丸の内」より 著者:高浜虚子
たが、そのプラットホームに行く階段が作りかえられた。)はじめ自動車口と人力車口と歩行者口とが区分されたが、それは却って不便なものであった。ついで露天にれん瓦が敷....