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「歩調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

歩調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
って、隣のそれに並べてある大蘇芳年《たいそよしとし》の浮世絵の方へ、ゆっくりした歩調で歩みよると、 「じゃこの芳年《よしとし》をごらんなさい。洋服を着た菊五郎と....
路上」より 著者:芥川竜之介
へ突っこみながら、法文科大学の古い赤煉瓦《あかレンガ》の建物の方へ、ゆっくりした歩調で歩き出した。 と、突然頭の上で、ごろごろと春の雷《らい》が鳴った。仰向《....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
げ捨てて「貴方にはかないません」という意味を示した遺風であろうと思われます。また歩調を取って歩くのは専制時代の傭兵に、弾雨の下を臆病心を押えつけて敵に向って前進....
深夜の市長」より 著者:海野十三
られるわ。お前が附いていながら、なぜ引張って帰らなかったといって……」 警官は歩調をゆっくり落しながら、まじまじ僕たちを見守った。 「ねえ、りゅうちゃん、たら....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
か」と博士はちょっと押黙って何事かを考えているようであったが、相変らず室内散歩の歩調をゆるめはしなかった。「気の毒なことじゃのう」博士の声は水のように淡々として....
間諜座事件」より 著者:海野十三
ると、ディ・ヴァンピエル座の木戸口を出ていった。レビュー館の向うの角を曲ると急に歩調を速めて、かねて諜し合せて置いたR区裏の二つ並んだ公衆電話函のところへ……。....
地獄街道」より 著者:海野十三
だ。どうやら何か又新しい手懸りを掴んだものらしい。 その辻永が再びゆっくりした歩調に返ったのは、ユダヤ横丁をとおり抜けた先に沢山に押並んだ小さい二階家の前通り....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
る。電産のストライキは、末広巌太郎博士へ一任となったらしい。全教組は教全組とは別歩調にて文相へ「六百円最低承認に欺瞞あり」と申入れたる由。生産いよいよ低調。政治....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
、人夫を頼むほかに仕方がない。ところが人夫はカンジキであるから、スキーとなかなか歩調が一致しない。確かに不便であるが、われらが弱くて荷が背負えないのだから、この....
海底都市」より 著者:海野十三
ゃないか」 僕はたまらなくなって、タクマ少年に耳うちをした。 「食前には正常な歩調で姿勢を正しく歩くとたいへん消化力が強くなるから、こうして歩くのです。この廊....
地獄の使者」より 著者:海野十三
兄だろうか」 と、土居は目を固く閉じて、首を振った。 そのとき帆村は、俄かに歩調をゆるめた。それはもうすぐ目の前に、旗田邸の塀が見えたからであった。 「それ....
火星兵団」より 著者:海野十三
きな釘抜のように、千二の手をしめつけていて、はなすことが出来なかった。 丸木の歩調が、少しばかり遅くなった。彼はしきりに、いろいろなものを売っている店先に、目....
軍用鼠」より 著者:海野十三
動きだすことであろう。するとその電車から、一人の詰襟姿の実直な少年が下りてきて、歩調を整えて門のなかへ入ってくるだろう。そして玄関脇の押し釦を少年の指先が押すと....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
自分の馬を急がせ、先に行ってしまいたいと思った。ところが、不明の騎士も馬を早め、歩調をあわせた。イカバッドは手綱をひきしめ、並足にし、後におくれようとした。相手....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
京に於て訂正 昭和十五年一月京都に於て修正 一 戦争の進化は人類一般文化の発達と歩調を一にす。即ち、一般文化の進歩を研究して、戦争発達の状態を推断し得べきととも....